CERO:C(15歳以上)から引き上げるので自ずとDかZの二択に

https://dengekionline.com/articles/156967/
――髙井さんは、過去に数多くの『FF』シリーズのナンバリングタイトルにかかわってきており、ついに最新作のディレクターを務めることになりましたが、
最新ナンバリングタイトルである『FF16』を「どういう『ファイナルファンタジー』にしよう」と考えていましたか?

髙井:
大まかにいうと、「オープンワールドにはしたくない」「ストーリーでプレイヤーを引っ張っていくゲームにしたい」
「“アクション風のRPG”ではなく、“手触りのいいアクションRPG”にしたい」といったことを考えていました。
また、「これまで『FF14』などでは“15才以上”が対象であったレーティングを上げたい」という思いもありました。

――レーティングを上げたいというのは、“大人の物語を描きたい”という意味でしょうか?

髙井:
もちろん、ストーリーに関して言えば、ある程度の年齢・趣向の人でも耐えられる話にしたいという意図から、「ジュブナイルにはしたくない」という考えはありました。
ですが、それよりも“表現の幅を広くする”ことがレーティングを上げる目的ですね。
昨今のゲームグラフィックの進化は目覚ましく、我々もそれに見合ったものを作っていくことになります。
加えて、『ファイナルファンタジー』である以上、キャラクターたちの戦いは避けられません。
そう考えたときに、“切った張った”の演出をするうえで血の一滴も表現できないのは、現代のゲーム観的にも無理だろうと。
そういった理由から、レーティングを上げたいと考えていました。

吉田:現在のレーティングによる表現の制限はかなり多く、新生『FF14』開発時はかなりショックを受けました。
具体的には、『新生エオルゼア』のトレーラーでガレマール帝国とエオルゼア同盟軍というふたつの勢力が激突するシーンがあるのですが、戦争を描いているのに
「矢が体に刺さるのは本来NG。刺さった瞬間のアップが無く、カメラ外ならギリギリOK」と言われてしまいまして……。
よく見るとカット割りされていたり、傷口は見えないようにしたりと、とにかく制限が非常に多い。
ですから“ファンタジーでありながらリアリティを感じられる『ファイナルファンタジー』”を作ろうとするうえで、レーティングの壁が問題になる部分が多かったのです。

髙井:
眼の前で人が斬られているのに、返り血を表現するだけでレーティング的にOKかの確認が必要という時点で、もういろいろ無理があるだろうと。