そして「謎迷宮」の最大の問題点は、ダンジョンを踏破し犯人を指摘すると現実世界で死んでしまうという設定にある。「真実を知ること」と「犯人の命」を天秤にかけるジレンマが描きたかったのだと思うが、毎度ストーリー中にアマテラス社に追い詰められたからといって、「謎迷宮」を使用する行為は主人公が自らの思考停止を棚に上げた殺人と変わらない。代償が存在する「謎迷宮」を、なぜ主人公は何度も使おうとするのかという説得力がシナリオには欠けていた。殺人者だからといって殺していいわけがないと言及されることもあるが、毎回「真実と向きあうには覚悟が必要なんだ」などと、いい話風にまとめられても納得はできない。