宮本
『ピクミン2』はそうなったけど『ピクミン3』はどういう方向性でいくべきか、何度も議論したよね。

1作目は「深く遊べる」、2作目は「長く遊べる」。
お客さまの好みが分かれるところだったし、実際どっち派、みたいな話も出てたから。

神門
3作目の開発当初は、何人かのプログラマーと1作目の「希望の森」で1日という時間制限の中で宇宙船パーツを何個取れるかっていう競争をしていて。

結局当時はこの「深く遊ぶ」がやっぱり一番面白いなという話になって、3作目は1作目の路線に戻したんです。

日野
それで3作目は本編とは別に「ミッションモード」を入れて、このモードでテクニックを磨いたら本編もうまくクリアできるようにって工夫したんですよね。

こうした遊び方を表現するのに「ダンドリ」って言葉を使い始めたのもこの頃からですね。

神門
はい。この頃にこのタスクマネージメントゲームがゲームをしない人にもわかる気持ち良さがあるって気づいたんです。

家事や料理をしていても、慣れてくると「ダンドリ」を考えて手際よくなっていくのが面白かったりするなあって。

それで「ダンドリ」のゲームと表現するようになったんですね。シリーズタイトルごとに、マネージメントの面白さが際立つように工夫されてきたのがわかります。

宮本
こうしてみると、開発関係者の中では、やっぱり1作目の方向性に戻すべきという意識は常にあったんだよね。

・・・でも結局、1作目路線の3作目が出たら、今度は「2作目の方が良かった」という人が現れる(笑)。

神門
それで長い時間をかけていろいろと検討した結果、4作目はいろんな好みの人を温かく迎え入れられるようなゲームにしたんです。

1作目派の方と、2作目派の方で意見が分かれていたのでこの「1作目 vs. 2作目論争」が、ついに終焉(しゅうえん)を迎えるかもしれません(笑)。
https://www.nintendo.co.jp/interview/ampya/index.html