https://www.4gamer.net/games/999/G999903/20231130058/
GNN:
 ご無沙汰しております。再び田畑さんにインタビューできるのは,光栄です。(2016年FFXV時,関連記事)
 まずお聞きしたいのは,「FINAL FANTASY XV」を終えたタイミングで,会社から独立してJP GAMESを立ち上げた理由は何でしょうか。

田畑氏:
 すでに何年も経っているから,細かいところはもう覚えていません(笑)。
でも大体のところは,当時スクウェア・エニックスの社長とは方針の違いがあったんですが,会社としては当然,社長の方針で進めることになりますので,僕がやるべきだと考えていたことは出来ませんでした。
 その状況で,その後何年も仕事を続けるのは無理があると思ったので,独立させてもらいました。
独立当初はそこを正直には言いにくかったのですが,今はもう大丈夫でしょう。

GNN:
 田畑さんが開発した作品の中で,「FINAL FANTASY XV」の開発規模が一番大きく,そしてもっとも知られていると思います。
田畑さんから見ると,その「FFXV」が成功している点と,ちょっと残念だと思っている点は,どんなところでしょうか。「FFXV」の開発で得られた貴重な経験は何でしょうか。

田畑氏:
 FFXV以前にも数作,FINAL FANTASYシリーズの開発に参加していました。僕からすると,「FFXV」の成功はFINAL FANTASYの進化系を作れたところでしょうか。
あと,「FFXV」は日本先行ではなくグローバル同時発売だったところも,世界中のプレイヤーに同じタイミングでFFを届けることを実現できてとてもよかったと思います。
 残念だと思うところは……予定されたDLCがキャンセルになったことです。それはとても残念です。
「FFXV」には多くの追加コンテンツを計画していましたが,最終的に一部キャンセルされることになりました。
 その当時は本当に仕方のないことではありましたが,今でもずっと心残りです。約束を守れなくて,楽しみにしてくれていたプレイヤーの皆さんに予定したすべてをコンテンツを提供できませんでした。

GNN:
 確かに。例えば「未来への夜明け」のストーリーは,ゲーム内で完結されてなかったですね。小説にしか書かれていなくて,その小説は台湾で出版されなかったから,
多くのプレイヤーは触れられなかったです。ピースが何個か欠けたパズルのようで,すごく残念です。

田畑氏:
 分かります。ごめんなさい。DLCのキャンセルは僕が下した決断ではないですが,それを止められなかったので,当時は余計に落ち込みました。
しかし,僕が感じた挫折感は,自由な立場でより良いゲームを制作するモチベーションにもなりました。
同じ思いを共有する仲間もいますので,このチームで新しいチャレンジがしたいし,当時がっかりさせたプレイヤーの皆さんには新たな面白いゲームを提供して挽回したいとも思います。