2023年のPS5は、新型PS5、PS VR2、PlayStation Portalなど多数の最新ハードや、多数の注目作が発売されたが、特に印象深かったのは新型PS5の価格設定。それは、コンソールビジネスにおいて大きな転換期を迎えたことを感じさせた。

従来のコンソールビジネスでは、ハードウェアを新型に更新するたびにコンソール価格を下げて普及の拡大を図ってきた。しかしPS5は2022年に、ハードの解析でAPUの製造プロセスが7nmから6nmへ微細化されたとみられているPS5・CFI-1200の通常版を、5万4978円(税込)から6万478円(税込)へ値上げして販売。2023年には、そこからさらにハード全体の設計を発展させて小型化した新型PS5・CFI-2000の通常版を、6万6980円(税込)で販売。値下げに繋がるどころか、国内では為替の影響で値上げを余儀なくされている。

このことは、もはや性能面だけでPS5 ProやPS6といった次世代へアップデートしていくことに限界を迎えた瞬間のように思える。もちろん、今後ハードのアップデートが行われないという意味の話ではない。だが、次世代コンソールビジネスで新しいステップへ進むためには、従来型のコンソールビジネスからの脱却や、新しい形のコンテンツサービスの創造が求められてくるはずだ。

そういった意味で2023年のPS5は、未来へと繋がるプラットフォームの足場を固め始めたような1年だったと言える。PS VR2やPlayStation Portalの発売でプレイスタイルの幅を広げ、ストリーミングサービスはPS5タイトルに対応してコンテンツの充実を図った。ハードやサービスの足場が固まり、2024年はコンテンツの大きな収穫期となるだろうし、より一層タイトルやサービスの充実が期待される。

2024年におけるPS5
PS5の2024年は、2023年1月の3000万台から7月時点で4000万台、12月には5000万台を達成。すさまじいペースで販売台数を伸ばしており、この勢いは2024年も続くだろう。PS5 Proの噂も絶えず、レイトレーシングの強化や、独自の超解像度技術の導入の話も聞こえてくる。だが、すでにPS5でもAMDの超解像度技術FSRが使用可能で、『FORSPOKEN』や『サイバーパンク2077』といったタイトルで採用されている。ハードウェアで無理に超解像度技術に対応する必要性を感じず、噂に関して疑問に感じる部分も多少あるものの、新たな刺激を与えてくれる新ハードには期待したいところだ。

『The Last of Us Part II Remastered』(1月19日)、『龍が如く8』(1月26日)、『鉄拳8』(1月26日)、『GRANBLUE FANTASY ReLINK』(2月1日)、『ペルソナ3 リロード』(2月2日)、『ファイナルファンタジーVII リバース』(2月29日)、『ユニコーンオーバーロード』(3月8日)、『ドラゴンズドグマ2』(3月22日)、『Rise of the Ronin』(3月22日)、『百英雄伝』(4月23日)と、2024年前半のラインナップはすでに非常に充実していると言える。

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