『スマブラ for 3DS』で起こった新キャラ大量リークは「当時の米任天堂社員の子どもが漏らした」説浮上。9年前の関係者証言により

そしてLiam氏は、NoAにおいて本作『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』の開発に携わった元社員らにも取材を実施したとしている。元社員らの証言によると、上述の情報の漏えい元は、当時の同社のローカライズおよびESRBコンプライアンス部門の社員の「子ども」だと考えられているそうだ。証言によると、リーク動画ではニンテンドー3DSではなく、開発ツールである「PARTNER-CTR」でのプレイ映像が撮影されていたとのこと。とある元NoA社員の子どもが同デバイスを勝手に使って携帯電話でプレイ動画などを撮影したとの説が唱えられている。

一方で撮影された写真や動画は、直接その子どもが4chanに投稿したわけではないと見られるそうだ。動画によると、元社員の子どもは、当初はオンライン上の少人数の仲間うちでこれらの情報を共有していたとされている。しかし次第に情報は拡散され、結果的に4chanに投じられることになったようである。Liam氏の調査によれば、NoAはすぐに情報の流出元を突き止め、即座に関係した社員を解雇したという。動画でのプレイヤー名に「ESRB0083」との管理番号が割り当てられていることもあり、誰が流出に関与したかの調査は容易だったのかもしれない。

動画の内容はLiam氏による独自調査ながら、約9年前に生じた情報リークの原因に関して今になって語られた点は興味深い。国内外で大きな注目を集める『大乱闘スマッシュブラザーズ』の新作ということもあり、当初は“当時の社員の子ども”だけが握っていたリーク情報が次々と伝播してしまったかたちと見られる。

開発元・販売元にとって情報のリークは悩みの種といえる。小売店の従業員や、場合によってはスタッフ自身が漏えいさせてしまうこともあるだろう。またハッキングやランサムウェアによる攻撃が原因になる例もしばしば見られる。各メーカーでさまざまなケースを想定して情報の管理がおこなわれていると見られ、今回の報告されたような従業員の子どもや家族に向けた情報漏えい対策も当時と比べて業界水準はさらに強化されているかもしれない。
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