1作目なのに手厳しいね(´・ω・`)

『ステラーブレイド』レビュー。よくまとまっているが独創性の欠落や経験不足が見られる、発展途上ゲーム
https://automaton-media.com/articles/impressionjp/20240502-291951/
そのクオリティは、既存の「売れすじ」を綺麗にまとめているという印象に留まり、「著名作をリスペクトしたゲーム」の域を超えるものではない。
業界に「買い切り型」の開発ノウハウが蓄積されていないことを端的に示すものとなっている。

しかしながら、『Stellar Blade』は遊びの中に独自性のある明確な強みがない。
『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』や『ニーア オートマタ』ではなく『Stellar Blade』を遊ぶ理由をゲームシステムを通じて提供できているとはいえない。
「日本文化のカクテル」であるがゆえに生まれる強烈な既視感を打ち消すことができていないのだ。
この既視感を通じて、リスペクト元と比較した際に洗練されていない部分が悪目立ちしてしまっている。

ゲームプレイの推進力となるストーリーが良ければ、こうした「雑さ」は気になりにくいのだが、本作のストーリーはあまりにもわかり易すぎるため、体験としては薄っぺらく映った。
よくあるプロットの上で怪しいキャラクターが「私は怪しい人物です」とアピールし続け、事実その通りに進んでいく驚きのない展開には、白けてしまった。
また、本作はキャラクター中心の物語を展開しているが、人物像の深堀りに乏しく、登場人物の多くに記号的、舞台装置的な印象を受ける。
こうした物語と合わせ、本作はゲーム全体が尻すぼみな体験構造になってしまっている。

こうした重箱の隅をつつくような「つまらない指摘」は、作品を突き抜ける強烈な遊びの魅力があればいくらでも塗りつぶせるものである。
本作におけるセールスポイントの1つとしては、『NIKKE』開発元によるモデリングとアニメーションが美麗な3D美少女ゲームであるという点が挙げられるものの、筆者はそこに価値を置いていない。
世に名作が溢れている状況の中で何故『Stellar Blade』を遊ぶ必要があるのか、という筆者の序盤に抱いた疑問に対し、作品はクリア後もなお答えてくれなかった。

この「遊びとしての強みを構築できていない」問題は、先述したように、韓国における超大作の買い切り型ソフト開発が黎明期にあるがゆえに発生したものだと筆者は推測している。
業界全体にノウハウが蓄積されていないのだろう。
オンラインゲームに対し、買い切り型の開発がまだ洗練されていないことの現れなのだと筆者は考えている。