僕の頬をつたった大粒の涙が地面に落ちる。
僕は今まで毎日ベッドで泣いていた。あの頃に戻りたい、戻りたい。
寂しくてしょうがない。そんな孤独の涙を流していた。
でも、今流してる涙は違う。しょっぱくない、甘い涙。
僕は今まで流したことのない涙を、雨のように次々と地面に流す。

「村長・・・何もそこまで泣かなくてもいいでしょ!」
「ハッハッハッハッハ!」
「って、ん!?おい、空も泣いてるようだぜ!」

本当の雨が降ってきた。
僕たちは急いで近くにあった役場に避難する。

しずえ「あらら・・・みなさんが一斉に来ちゃったから、ギュウギュウ詰めになっちゃいましたね!」
「この役場、そろそろ改築しないか?30年前からずっとこのまんまだもんな!」
「ああ、村長は今でも仕事をしてくれている。だからそんな村長が快適に仕事できるように、改築しよう!
村長はお金を出さなくていいよ!僕たちが協力してお金を出すから!ほんの恩返しだと思って!」
「おお、いい案だな!そうしようぜ!

しずえ「うふふ・・・この村は本当にいい村ですね」

しずえが僕の耳元でささやいた