やよいの父の朝は早い。

―朝早いですね。

日が上り始めたころにやよい父は起きる。

「開店時間前に並ばないといい台盗られますから。
朝のうちに並んでおかないと・・・。」

―辛くはないんですか?

「最初の頃はもう諦めようかと何度も思いましたよ(笑)
でも、何もしなければこのままなんだ、そう自分に言い聞かせました。」

そういいながら淡々とパチンコを打つ。
普通の人ならば心が折れてしまいそうな負け状態でも
ものの数秒でまた紙幣を入れてしまう。


「この金でせめて負けた分だけでも取り返そうとしてるんです。」