和歌山県で死に至る猛毒ガニが見つかった。
茶褐色でまだら模様の体、ハサミの先端は黒っぽくなっている。
1週間前の11月4日、和歌山県南西部のすさみ町沖で捕獲された、小さなカニ。
「エビとカニの水族館」飼育員は「過去には奄美の方でみそ汁に入れてしまい、5人が食中毒になって、2人が亡くなった。また、その嘔吐(おうと)物を食べたブタやニワトリも死んでしまったという報告がある」と話した。
このカニは猛毒を持つ、ウモレオウギガニで、触る分には問題ないというが、体内にまひ性の貝毒「サキシトキシン」とフグの毒で知られる「テトロドキシン」が大量に含まれていて、誤って食べてしまい死亡したケースもあるという。
海洋生物の調査のため、乗船していた水族館のスタッフが伊勢エビ漁の網の中に猛毒ガニが入っているのを発見した。
この猛毒ガニ、本来は沖縄や小笠原諸島など、暖かい海の浅瀬に生息しているそうだが、なぜ今回、和歌山県沖で発見されたのか。
京都大学白浜水族館・原田桂太飼育員は「温暖化で海水温が上がっているという可能性もありますが、たまたま(和歌山沖に)たどり着いて、たまたま大きくなったということは、よくあることですので。1匹のカニで3人ぐらいは死ぬ」と話した。
和歌山県沖では、5年前にも今回と同じ、ウモレオウギガニが見つかったという。
今回、猛毒ガニを捕獲した地元のエビとカニの水族館では、今後も捕獲される可能性があるとして、注意を呼びかけている。
http://www.fnn-news.com/sp/news/headlines/articles/CONN00341543.html