私は、一人でこの明るい闇から抜け出す方法を練っては破棄しまた練っては破棄し、どこの資料も参考書も漁り『0』からスタートを切ることになりました。
なるべく多くの精神疾患を患った人の狂的事件や、あまり表には出てこない資料など、しかも、
それらをなるべくその被検者として治療する医師が記載している資料よりも、精神疾患を患った人の書いたり、記録されてたりする、
そのような形式を求めて、もっと言えば直々に精神に於ける正常と異常を知りたかったのです。
物理学の本を読むと、『経験的法則』と呼ばれる疑似的法則の事例に溢れています。『経験的法則』とは、一定の限定された状況についてこれまでこれまで観測できた事例に、
ほとんど合致していますが、存在の根本にまで届いて、全ての現象に妥当する一般的形式を表しているとは、到底みなすことのできないような式であります。
現実存在を進化の一段落であるとみなすことは自然なことですが、しかしながら、この『現実存在』は、
おそらくは、ある一つの特殊な現実存在に過ぎないのではないでしょうか。
私の思い描く輝く闇は、群衆の中で、極めて豪華な便利さを欠くことなく、しかも、
出来るだけ人里離れた荒野にいるのと同じくらいの、孤独感や明晰感など、
何だか違和感があり、居心地が悪いですし、気分も優れないです。
今までの思考回路をぶっ壊して、私が求めているのは、この世のすべての既成概念が取り払われて、
自由になる、そんな感覚なのです。