用あって都心に出た
何十年ぶりだったろう
小田急線の快速に乗った
高架で複々線化してあって、あっという間に新宿まで行った
新百合から下北までノンストップだったのは衝撃
10代の頃に予備校に通うために利用していたが、沿線風景はピンとこなかった
25年近く経つのだから、当たり前か
あの頃に戻れたら
真面目に働いて、優しい嫁を見つけて、慎ましい家庭を・・・
なんて想像してみるが、おっさんになった今なら、そんな事を考えられるが
当時は当時で、俺を落ち込ませる何かがあった
俺はいつでも何かに悩んでて、孤独で、死ぬことを考えていた
43歳のおっさんから考えたら、18歳で悩むことなんて、無きに等しい
その日その日を楽しく過ごせればいいじゃん、若いんだから、と思える
でも、そんな当時ですら、俺は楽しく過ごせない何かを抱えていた
それが何だったのかは、思い出せない
おそらく、どうでも良いことだったのだろう
何よりも、その頃はまだ父親は生きてて兄弟ともいい関係だったはずだ
中学の時の友達とも遊んでたはず
あの頃に戻りたい、でも、戻れない
もし60歳まで生きてしまったら、43歳の自分を思い出して、どう思うのか
あの頃はまだ母親が生きていた、自分も体が動いてた、頑張れば仕事も家庭もどうにかなった、かも
そんな風に考えるのかも知れない
近々自殺を考えていたとしても、それすら60歳の自分から見たら、どうでも良いこと、なんだろうと