何か長々と書いてしまったが要は宗教とか神とかが大嫌いな反出生主義者が何故か仏教に限っては許容的な風潮に違和感を覚えてた
仏教って厭世どころか人間に産まれた喜び(今世で人間に産まれることが出来たのは前世で徳を積んだからであり、また人間でなければ仏の説法を聴いて悟りを開く事は不可能だからという理屈らしい)
を強調する宗教だし親孝行をかなり勧めてるし何よりスピリチュアルだから反出生主義とは最も水と油なのに….って疑問があった

ここの住人は多分仏教の解脱という目標だけを見て「あ、これ反出生主義と同じじゃん!」と早合点しているんだろうが
仏教は二度と産まれない為に何度も生まれ変わって気の遠くなる程の時間修行しましょう功徳を積みましょうって説いてるのであって
子供を作らなければ子供は苦しまずに済みますよなんて話は全くしていない
仏教においては解脱しない限り産まれない方法が無いからだ

苦行を否定した話や毒矢の話とかモダンインテリ好みなエピソードだけ切り取って「はい仏陀は現世主義のリアリスト!死後の世界も地獄も説いてません!」
って自分が理解できるスケールに収めようとすると仏教の本質を見誤る
そんな事するくらいだったら最初からアンタッチャブルであるべき
世間で盛んに喧伝されている仏教の「癒し」「救い」「合理的な教え」等のイメージと実際に経典を読む事でうかがい知れる仏教の世界観はまるで別物としか思えない
とにかく反出生主義と仏教は全く合流し得るものではない

反出生主義は反出生主義以外の何物でもなく世の中にある宗教とは無関係
この信念が薄いから容易くオカルトやスピリチュアルに心を乱されてしまうのではないかと思う
反出生主義においては不可知論など有り得ずオカルトやスピリチュアルの全否定以外に無いのでありその可能性すら検討してはいけない