両の手の指
ひとつひとつに
糸を巻いて
その先には
同じ自分
笑ってほしいから
口角を引いた
悲しいことは
忘れられるように

上手く動かなくて
糸でしか伝わらない
言葉に意味はなく
指先がこのすべて

躓かないように
できるだけできるだけ
息が止まらないように
できるだけできるだけ

一度でも手放さず
毎日あなたを
日々が続く限り
毎日あなたを

表情の先にある
気持ちには届かずに
できるだけできるだけ
安らかであるように

慣れない指先

この糸の長さが
一番近く