夢基地です。うざい方はこのワードであぼ〜んしてください。

座っていた。電車の中にいたんだ。適度な込み具合だったな。
発車寸前見覚えのある男が「キ険」と貼り紙したトランクをおいて降りて行った。
電車の中は恐慌をきたす。
バッグに近づこうとしたり、隣の車両へ逃げる者、大声で叫ぶ奴。
俺はただ座っていた。ただただ座っていた。
だってトランクの中は空っぽなのが何故か分かっていたから。
「危険」でもなく「キケン」でもない。「キ険」と書かれていたんだよ。
たったひとつの空の箱でこれだけの混乱をおこす烏合の衆。
俺もその中に数えられる訳だが。
あいつは一度完全に死のうとした奴だったんだ。
何にせよ見事な手際だ。

おかしな夢でした。「春と修羅」や「都会の夏の夜」を口ずさみながら。