お笑いコンビ「松本ハウス」のボケ役、ハウス加賀谷さんの芸人人生は、持病の統合失調症とともに浮き沈みしてきた。
17歳でデビューし売れっ子に。しかし病状悪化でコンビを解消。10年を経て念願の復帰を果たすも、台本を覚えられず苦しんだ。

精神科病院の急性期病棟に入院しました。一番具合の悪い人が入る所です。統合失調症、昔の呼び方だと分裂病と言われて「ああやっぱり」と思いました。
周りの人が僕を「臭い」と言っている幻聴を最初に聞いたのは中学2年のとき。入院直前は妄想がひどくて組織のスナイパーに命を狙われていると思っていました。

水の中のよう
 7カ月の入院で幻覚は治まりましたが、今度は「陰性症状」や薬の副作用がしんどくて。顔の表面に薄い膜がぴたーっと張り付いた感じ。
人と話していても水の中にいるみたいで現実感がない。5、6年は家に引きこもっていました。

引きこもっていると本当に辛いんですよ!
皆は外で働いてるのに自分は引きこもっていていいのかって責める毎日です

焦りも出てきて、芸人に戻りたい気持ちが大きくなった。社会性を付けるのに役立ちそうなアルバイトを幾つかやって、
いよいよキックさんに電話で「またお笑いがやりたい」と言いました。入院からほぼ10年。感極まって泣いちゃいました。