セクション4

結末

「てめえ、何してんだよう、ふざけんな」
パン  パン
男にビンタが飛んだ。頭一つ男より大きいがっちりした先輩大学生が男にビンタを放った。
男は二日目はフロントのレジを任された。清算の時、1000円マイナスが生じた
ビデオでチェックしたところ男が明らかに1000円多くつり銭を渡している事が判明したのだ。
業界の特性なのかその店の特性なのか、二日目だからか、はたまた何なのか、いずれにしろ男には全く把握できない事態に陥った。
パニックである。
店長は事務所で表情を変えず腕組みをしているだけだった。
予兆はあった。男は前日仕事がうまくいった興奮であまり寝ていなかったのだ。
男はロッカーにあるリュックをすごいスピードで取り出して背負い走り出した。
何も告げずに。
男は夢があった。働いて自立するという大きな夢、多くの精神障碍者が抱く夢
プランが二日目にとん挫したことへの失望は次の日には消えていた。

男は自室でネットで おかしなうすわらいを浮かべ悦に入る生活に戻った。
しかし誰も彼を責めることができようか?彼の負っている障害は重い。
彼がチャレンジした精神は負っている障害を考慮すると敬服するものがある

今日も彼はネットしながらうすわらいを浮かべている