「1976年の夏に『ポパイ』が創刊されたが、それまでは情報誌もなかった。
だから訳知り顔に聞くしか無くて。『なんかさ、アメリカで"ニケ"っていう運動靴が流行ってるらしいよ』って(笑)。
それでアメリカまで『ニケ探しに行こう』って、大きなバッグを担いで"ニケ探し"にいくわけです」。
"ニケ"とは無論、「NIKE」のこと。今で言う"並行輸入"だ。

当時は今よりも円高の時代。設楽たちが手に入れたスニーカーも、日本では5万円以上で販売されていた。
「当時の僕の電通の給料が6万8000円の時代でしたから。5万円の靴なんてなかなか売れないよね」。
今や当たり前のファッションも、当時はまだまだ一部の人のものだった。