孤独死した40代男性の部屋に見た周囲との断絶

いよいよ夏本番になってきた。夏は、1年のうちで孤独死が最も多く発生する。
なぜ夏の時期に孤独死が大幅に増加するのか。理由は簡単で、孤独死は近隣住民
の臭いによって発見されるからだ。また、孤独死する人はセルフネグレクト(自己放任)に
陥っているケースが約8割となっている。

遺品整理をしていると、路上ライブを行っていた男性のものと思われる写真や自作の
CDが次々と出てきた。部屋の片隅には、有名アーティストと男性とのツーショットの写真
もあった。
男性の両親に話を聞くと、アーティストになりたいという夢を持った息子に、「お前なんか
出ていけ!」と父親は激しく怒鳴りつけたという。

「故人様は夢と現実の間で苦しみ、家にひきこもるようになったのでしょう。親に勘当
されたこともあって、どんなつらい状況になっても親を頼ることはできなかった。そして、
うつ病になってしまったようです。たった1人、孤独の中でとても寂しい思いをしていた
のかもしれない。遺品の中には、生活保護に関する書類があったので、身体の調子が
悪く、最後は行政に助けを求めようとしたのかもしれません」

https://toyokeizai.net/articles/-/295262