仲村が右翼の世界に飛び込んだのは20年前、18歳の時だった。

右翼の街頭演説を聞いたことで、社会に関心を持ったのだという。

右翼団体の中では大手とされる「大行社」に籍を置き、さまざまな活動に関わってきた。

北方領土返還運動や拉致問題解決の要求、日教組大会に出向いての街宣──。

だが、活動を続けるなかで小さな矛盾が仲村の中に芽生えた。
なぜ、右翼は真正面から米軍基地を批判しないのか。

なぜ、右翼は圧倒的に日本が不利な日米地位協定に反対しないのか。

なぜ、右翼は米軍基地に反対する市民をすべて"左翼"だとして片づけてしまうのか。

右翼の運動が「反左翼」を主軸としてしまっている