>>181を書いた者です。

村上龍で最も印象に残っているのは『コインロッカー・ベイビーズ』。
ゲラを読んだ村上春樹が興奮して龍に電話したという。
パワフルな狂乱とも言えるような展開は、春樹が書く作品では入っていけない領域だと思います。
この作品に村上龍の天才を感じました。

短編集では『トパーズ』。
文体からして精神が錯乱してしまっている。
淫靡で陰鬱な世界。
哀しみがあって、救いはないかな。

ふつうのリアリズム小説集で良かったのは『55歳からのハローライフ』。
村上龍も年をとって優しくなったと思いました。

デビュー作『限りなく透明に近いブルー』も良かったと思いますが、
かなり退廃的なので読む人を選ぶでしょうね。
初めて書いた小説なので文章表現も稚拙なところがあります。