とある村人の日記
4月3日
今日は作物の植え付けをしながら散歩している。夜は外からゾンビの声がするので出歩けない、ハァ…。
4月7日
村にとある青年が来た。名前はスティーブと言うらしい。村や近くの洞窟を忙しなく行き来していて慌ただしいが若者らしい。
4月10日
村に来た彼は近くの木を松明を作り始めた。村が明るくなった。
4月13日
松明を焚き終えた青年は柵を作り村を囲み始めた。夜に呻き声がしなくなった気がする。
4月20日
遠出を終えた彼はレンガや木で家を造り始めた。村のあちこちにドアが置かれているがよく分からない…ンァ?
4月22日
村のあちこちで色気が出始めた。平和になりつつあることを実感する。
4月27日
近所で子供が産まれたようだ。久しい出来事に祝杯をあげる。彼が来てから村が良くなった。
5月10日
村に活気が満ち溢れる。実に喜ばしい、ンァッ!彼には感謝してもしきれない。
5月16日
子供が育つのは良い事だが、同時に村で行方不明者が出始める。聊か物騒になってきた。
5月20日
様子がおかしい。育った子どもが突然消えたり後を継いだ先代がいなくなる。隠居の風習など無かったはずだが。
5月21日
なんということだ!私は見てしまった。奴は英雄の仮面を被った悪魔だった!
5月22日
昨晩みたことをみなに伝えるべきか悩む。みなは彼を慕っているがその本性に気付く者はいない。
5月23日
遂に私に弟子ができた。優秀な弟子だがもう私は長くないだろう。
5月29日
弟子に教えるべきことは教えた。弟子を育てることに手一杯だったが様子を見に来る奴の刺すような視線を感じる。
5月30日
奴を村に引き入れたのがそもそもの間違いだった。多大な恩恵を与えるものの裏には更に巨大な闇があるのだろう。
もうじき奴との約束の時間だ。おそらく私が朝日を拝むことはもうないだろう。
なんと理不尽なことか!なんと愚かなことか!
最期に記しておく、奴は死神だ!この手記を見つけた者が不幸にならないことを祈る。