大泣きの朋春を穏やかに見ながら呂が「今日は辛苦了でしたね。请让身体休息
体を休めてください。落ち着いたら、やっていただく事の予定もありますし。では!」
朋春には聞こえなかった。
腎臓を抜かれ、老人のボロボロの腎臓を一つだけ入れられ、男としてのモノを取られ、
尿は管でぶら下げたビニール袋に排出する哀れな姿。朋春は泣き喚いた。
「あ〜あ、こんな酷い目に遭っちまって・・・悪夢なら覚めてくれ!こんな事になる
なら・・・中国、太極拳に興味もつんじゃなかった!
民主化運動の応援なんかしなきゃ良かった!
それをネットに長いこと書いたばかりに目をつけられちまった!
まさか、こんな事になるなんて・・・うぁ〜〜〜〜!!!!」後の祭であった。
もう道端で歌えない、太極拳もムエタイもできない、女ともこれで可能性絶たれた、
何もかも終わりだ、と泣きに泣いた。
とても現実が受け入れられない朋春は、悪夢なら早く覚めてくれ、と願ったが、
体の痛みがそれを否定していた。