2018年、Netflix/Amazonビデオに起きた異変。映画祭で作品を買いつけなかった理由から映像文化の将来が見えてくる
https://www.fuze.dj/2018/03/streaming-vod-netflix.html

第68回ベルリン国際映画祭では、ある「異変」が起きた。彗星のように現れ、ここ数年、毎年のようにマーケットをにぎわせていたNetflixとAmazonが、作品の買いつけをほとんど行なっていないのだ。
この異変は、1月に行なわれた世界最大のインディペンデント映画の祭典、サンダンス映画祭でも起きていた。

2016年『マンチェスター・バイ・ザ・シー』をAmazonが1000万ドル、2017年『マッドバウンド』をNetflixが1250万ドルと、従来のインディペンデント・マーケットでは考えられないような額で買いつけた。
さらに、こうした作品がアカデミー賞候補として大手スタジオの大作と競うという、インディペンデント映画の作り手からすると夢のような環境が整えられていた。
しかしながら、今年のサンダンス映画祭で両社が買った映画はなんと「0本」だったのだ。

Amazonは巨大なプロジェクトに投資する考えを明確に示しており、ジェフ・ベゾスCEOみずから『ロード・オブ・ザ・リング』の新シリーズの買いつけ交渉に走っている。
また、その額は2.5億ドル(約265億円)もの規模になることが想定されている。Amazonは、ローバジェットの佳作を積み重ねるよりも、巨大プロジェクトのほうが話題になり、サービス登録者数を増やせると判断したのだ。
Netflixは、Amazonほどたしかなスタンスを取ってはいないが、VODサービスの勝ち筋が巨大プロジェクトを成功させることであることが明らかになりつつある。
直近の例だと、2017年にHulu製作の『ハンドメイズ・テイル』が絶大な人気を博し、ユーザー数が爆発的に増加しており、日本でも配信が開始された。
これらを踏まえれば、Amazonと同様の戦略をとる可能性が高いことがわかるだろう。


現状作ったオリジナルより買ってきたオリジナルの方が面白いのになにやってんだ