いかにも作家が書きそうなレトリックに満ちた作品。
「人殺しの王子だが、民衆に愛された」
「嫌な奴だが、行いは正しい」
「透明人間は行動して目立ったが、却って孤独になった」
怪物が語る物語は、常に表向きとは違う視点が示される。
表面に見えるものでは真実は解らない。
怒りの裏には悲しみがあるのだ。逆説的な視点。

母親の難病を受け入れられない少年は、妄想の世界で怪物と語らう。