購読してるメルマガにヤマカンの評があったので重要部分を引用してみる。


『そこで僕が注目したいのは、『日本沈没2020』がまさに「登場人物が精神異常の状態」に陥った、つまり「カルト化」したという
部分にある。
あまりに登場人物の言動が訳解らなすぎて、全員がちょっと病んだような、この作品の設定で言えば「大麻でやられてしまった」
かのような状態に陥ったこと、これは先述した通り作劇的にはただの矛盾なのだが、それが余りに多すぎると、そこにはある種の
カルト臭が漂うこととなる。

登場人物の常軌を逸した言動によって構成された作品は、過去にいくらでもある。
ピエル・パオロ・パゾリーニの『ソドムの市』(1976)や江戸木純が挙げるところのA. C. スティーヴン『死霊の盆踊り』(1965)、
日本では石井輝男の『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』(1969)などが挙げられよう。
これらはもちろん、一般人が観れば「普通あり得ない!」ことのオンパレードなのだが、今まで議論してきたようにその感覚を
一旦忘れて、作品の世界観を敢えて尊重して観てみると、とんでもない異常表現の中に潜むある種の芸術性、言わば「反芸術」の
ような様相を見て取ることができるのだ。
このような作品群こそが言わば「カルトムービー」なのである。

そう考えると、『日本沈没2020』はひょっとしてこのカルトムービーの系譜に入るのではないか? いや絶対入るだろう! 僕は
そう確信した。
「普通あり得ない!」エピソードと意味不明なキャラクターの言動、これが幾重にも幾重にも繰り返される様は、れっきとした
カルトムービーなのである。
そして僕らは、そんな作品を「サイテー映画」や「バカ映画」などと嘲笑しつつも、どこかそれを愛さずにはいられないのだ。』

食べ物に例えればクサヤの様な特殊な性癖のある観客には病み付きになるような作品であるという評だな。それなら分かる。
これをフランス料理とか懐石料理とか言って持ち上げる輩はただの馬鹿だ。