病室には妹の苦しそうな吐息と心拍計の電子音だけが響いている
妹の白い顔は時折苦しげに眉をゆがめるが それ以外は至って静穏なものだ
とても医者がさじを投げた患者には見えない
なんで俺じゃなくて妹なんだ…まだ中学生じゃないか あんまりだ…
「お兄ちゃん…」
いつもの祈りとも呪詛ともつかない思いが終わる前に妹が静に口を開いた
「なんだ?」
「わたし戦車が見たいよ」
飛行機どころかこの1年外にだって出られていないのに
「戦車か…どんなのが見たいんだ?」 
「うん」
ちょっと考え込んだ妹は儚げに笑ってこう答えた

「…ソ連軍を蹂躙するアメリカ軍戦車が見たいよ」 

ちょwwwwwおまwwwwwww無理wwwwwwwwww