外周島風の朝は早い

「まぁ好きではじめた仕事ですから」

最近は良いカモが少ないと口をこぼした
まず、マップの入念なチェックから始まる。

「やっぱり一番うれしいのは敵味方からの通報ね、この仕事やっててよかったなと」

「毎回毎回戦況と編成が違う botでは出来ない」

今日は砂漠の涙
彼はエンジンブーストを起動し、マップ端へと向かった
基本的な形は決まっているが、最近のプレイヤーの嗜好に合わせ
多種多様な攻め方をしなければいけないのが辛いところ、と彼は語る。

「やっぱ空母マッチの仕事はキツイね、愚痴ってもしかたないんだけどさ(笑)」
「でも自分が選んだ道だからね。後悔はしてないよ」
「このマップはダメだ。ほら、すぐに逃げられてしまう」

彼の目にかかれば、見るだけで出来不出来が分かってしまう。
技術立国日本、ここにあり。
今、一番の問題は後継者不足であるという
1年前は何十もの外周駆逐が軒を連ねたたが
今では職人は彼一人になってしまった

「自分が気持ちよいのももちろんだけど、
裏取り魚雷された人ももっと気持ちよくないといけないね」

ここ最近は、無線方向探知に押されていると言う。
「いや、ボクは続けますよ。待ってる人がいますから───」
外周駆逐の灯火は弱い。だが、まだ輝いている。