「なんだかコワイところっスねぇ!」
「それでも行こう!大丈夫さ!」

異常個体と言われた四つ手のリングマをポケモン環境研究所に引き渡したののち、とあるトレーナーとパラセクトは“蒼穹の谷”と呼ばれる場所に差し掛かっていた。
麓の町で光をまとったポケモンを見た…という噂をついに耳にして、相棒として共に育ち、そして命をかけて自らを守ったカイロスの仇を討とうと少年は歩く。山を登る足取りは重く、しかし足の指先に伝わる力は確かだった。
それはかつて手も足も出なかったポケモンへの恐れと それを乗り越えようとする意志の表出に思えた。

―彼らはかつて人工生命体ポケモン
後に“ミュウツー”と呼ばれる個体と対峙、10キロタマゴから共に歩み続けてきた相棒のカイロスの決死のかくとうわざにより、辛うじて脱出できたという過去があった。
戦いのあとに落ちていたカイロスの片角を抱きしめ少年は涙し、そして誓った。
もっと強くなると。