>>765
「ワタシは仇なんてしらんですヨ、逃げたいですヨ」コクーンが震えながら話していることを、パラセクトはトレーナーの少年に笑いながら伝えた。
「そうだよな、パラセクト、コクーンに伝えてやってよ」

「戦いになる前に君とはお別れさ。巻き込むわけにはいかないからね!
できれば進化させてやりたかったけど…ゴメンな、でもいつか羽化したとき、君はきっと誰よりも強く羽ばたけるからね!」

「ご主人は優しすぎるッスよねぇ…フフフー、誰に似たんだか…」

パラセクトとトレーナーは同じポケモンを思い、笑いあった。

強く、優しく、不器用で勇敢なポケモンのことを思い、笑いあった。

「逃げたいっていったのは嘘ですヨー!嘘ですからネー!」
コクーンはトレーナーに弱虫と思われるのが嫌で強がった。
むしタイプのポケモンは、弱虫と思われることを極端に嫌う。

このコクーンにもまた、種族の誇りがあるのだ。