http://dengekionline.com/elem/000/001/519/1519886/
──家庭用ゲーム機向けのゲームで、その試みを実行することがすごいと思います。
そもそも、発売の3カ月前というかなり早い段階で体験版を出していますが、これはユーザーの要望を吸い上げる目的もあったのですか?

はい、そうです。正確には先ほど言ったように「ユーザーさんから要望を受けて、製品版に反映させる」ことが目的です。
3カ月前に体験版を公開するのは異例ですが、奇跡的にうまくいきました。
このタイミングですと我々も最終調整をする段階に入っているので、ユーザーさんの意見ももらって最後は一緒に作っていこうと考えたんです。
実は体験版って粗探しの材料にされたりして、決して費用対効果が高くなかったりするんです。
かといって、発売前に体験版を出さないのは時代的に有り得ないと個人的に思っていて、
今回のような「体験版の意見が製品版に反映される」という前置きで配信しました。
これなら自分がユーザーだったら体験版をプレイする意味ができるし、意見出しも楽しそうだなと。


──私も豪華スタッフだと思うので、本作を遊ぶのが楽しみです。
次の質問は「発売日から逆算してどれくらい前から企画開発がスタートするのでしょうか? 大まかな制作の流れも知りたいです。(今登さん)」

自分の作品としては、2015年の1月22日に3DS用ソフトの『レジェンド オブ レガシー』が発売されましたが、
その前から動いているので2年半くらいですね。なお、企画の根っこ自体は『レジェンド オブ レガシー』より古いものになります。
これは裏話なのですが、『レジェンド オブ レガシー』は、自分が提案した企画書を小泉さんが9割9分9厘書き換えて、
元の僕の企画は原型をとどめていないんです(笑)。
書き換えられた企画書を見て、ここまでゲームについて真剣に考えている人なら
絶対によいゲームが作れると考えて一緒に作ったのが『レジェンド オブ レガシー』で、
僕自身も骨の髄までしゃぶりつくすぐらい夢中で遊び倒しました。
『レジェンド オブ レガシー』は、実は一部のユーザーさんからは「史上最低のクソゲーだ!」と怒られたりもしたんですが、
僕は元来マゾな性格なので批判的な意見に共感してしまったんですね。「自分が求めてるRPGの路線と同じだ」と(笑)。
ただ、『レジェンド オブ レガシー』でそのニーズに応えるべきかというとそれは間違いで、
続編を作る話が来た時も「重厚なストーリー」「キャラクター性の強化」などを要求されましたが、
作品のコンセプトから逸脱してまで、名ばかりの続編を作る意義はありませんから断固として拒否しました。
『レジェンド オブ レガシー』の本質的なおもしろさを続編にして伝える術は、残念ながらそこではないんですよ。
仮に僕が『レジェンド オブ レガシー2』を作るなら、まずハードから変えます。