ほんとこれ

https://www.nintendo.co.jp/wii/interview/sx4j/vol3/index3.html
高橋
あと、服部さんから指摘されたことで鮮明に覚えているのが、
主人公のシュルクに幼なじみのフィオルンという女の子がいて、
彼女が寝込んでいるときに、手を触れるシーンがあるんです。

服部
あ、あの話ですね(笑)

高橋
最初は、シュルクが彼女のほっぺたに手を触れて、
自分の気持ちを伝えるシーンだったんです。
ところが「寝ている間にいきなりほっぺを触られるのは、
女性としては少し気持ち悪いです」と
服部さんから指摘されたんです。

服部
そもそもふたりは恋人同士ではないんです。
なので、自分がもし寝ているときに
つきあっていない人から、急に頬を触られたら、
やっぱりちょっとビックリするだろうと思ったんです。
シュルクとフィオルンの恋愛にウブなイメージも損なわれてしまいますし、
そもそも「シュルクって、そんなに積極的なキャラだったかな?」と(笑)。

高橋
「確かにそうかもなあ」と思って、
最終的には手を握るように直しました。
そういうのがいろいろあったので、面白かったです。

山上
そんな感じで、シナリオに関しては
高橋さんが考えている世界をどうすれば
よりお客さんに伝わりやすくなるかということを意識して、
客観的に意見をお伝えするようにしていました。

岩田
それはまさに“作家と編集者”の関係ですね。

山上
まさにそう思います。

高橋
やっぱり自分たちだけでつくっていると、
どうしても自分たちの趣味や嗜好する部分が出てしまうんです。
心情だったり、構成だったり、いろんな局面で、
偏った部分を任天堂さんから指摘してもらえたのは
本当にありがたかったですね。