カン氏が仮説すら立てずにマシンラーニングで分析してみたところ,離脱しているプレイヤーは「頻繁にサーバーを移動」していて,これが負の経験の原因であることが分かったという。
カン氏は,なぜそんなにサーバーの移動をしているのか,データを見たときは理解ができなかったそうだが,実はそのゲームでは,サーバーごとにローカルルールがあり,
例えば「このサーバーは戦闘をせずに会話するだけ」「このサーバーではこの武器しか使わない」といったことが,プレイヤーの間で決まっていたのだという。
しかし,新規プレイヤーはそんなルールを知らないので,ゲームを追い出されてしまい,よく分からないままサーバーを転々とした結果,離脱してしまっていたのだ。

最後の話題は「エンゲージメント」(どれだけゲームにどっぷりハマって遊ぶか)について。
以前のカン氏も含め,多くのゲーム開発者は,「緊張感のあるプレイが面白い」と考えてゲームを作る。
勝つか負けるかの真剣勝負で,手に汗握る戦いが展開され,勝率は50%ぐらいになる……これがフェアで面白いというわけだ。
しかし,カン氏が「本当にこれは面白いのか」と調査してみたところ,プレイヤーの反応は予想と違っていた。
あるゲームを30回プレイして,勝率50%の人に聞いてみたところ,「面白くなかった」「アンフェアだ」と回答する傾向にあったというのだ。
一方,勝率75〜80%のプレイヤーは,「非常に面白かった」「フェアなプレイ内容だった」と答えたという。
実際にフェアかどうかと,プレイしている本人がどう感じるかには,ズレがあるのだ。

[NDC18]韓国最大規模のゲーム開発者イベント「NDC18」が開幕。ゲームの楽しさがどこから生まれるのかを問うキーノートをレポート
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