任天堂の将来のライバルはApple

だが2月、岩田社長に新たな危機感を抱かせる報告が上がっていた。昨年11月に実施した約3000人を対象にしたブランド調査の結果だ。

 主要なDSユーザーの女子高生層で「どちらかと言えばDSよりもアイフォーンを選ぶ」との回答が目立っていた。岩田社長の口癖である「驚きのあるソフト」が減っているとの危惧を裏付けてもいた。

 パソコン、携帯電話など様々な端末に娯楽コンテンツがあふれ、戦場はゲーム業界を越えて広がっている。

 「将来の仮想敵はアップル」。岩田社長は親しいスタッフに、こう漏らしたという。両社はともにタッチパネルなどの使いやすいインターフェース(入力から出力までの反応性・操作性)を売り物とする。学習ソフト、旅行ガイド、簡易アニメや楽曲の制作など、ソフトの品ぞろえの広さでも競合している。