任天堂という企業はゲーム業界において、とてもユニークな場所に位置付けている。
グラフィックや技術的側面から同社を見ると最高の地位にはいないが、
その一方で枯れた技術の水平思考という独特な発想により他のどの企業にもない
個性的なアイデアを消費者に提供しているからだ。


それに彼らの生み出すソフトは非常に強い魅力を持っている。
それは任天堂のソフトがあるだけで消費者の関心を十分に惹きつけるほどだ。
さらにハードは他社に比べ安い価格になる傾向が強く
今ではインディーズメーカーに対しても消費を促すコミュニティを築けている。


だからこそ任天堂オブアメリカのレジー・フィサメィ社長は
SwitchがPS4やXBOと明確に異なる場所で競争していると言えるのだろう。
報道陣との取材に応じた彼は任天堂はすべての娯楽産業を俯瞰的に見て
それらと競争しているのだと語ると
人々が娯楽に時間を費やすとき、その第一候補が任天堂になるのが最終的な目標だと説明している。


「基本的に人々の休暇時間というのは何らかの娯楽に費やされています。
 そして我々が勝負を仕掛け他社と競争しているのは、この部分なのですね。
 ネットを見るか、映画を見るか、あるいはテレビを見るか。
 なんにせよ消費者のそういった時間を任天堂のために使ってほしいがために
 私達は勝負を仕掛けているのですよ」


「そういう意味で、私達の競争相手というのはソニーや
 マイクロソフトよりも遥かに大きな相手となります。
 私達が争っている相手は時間そのものですから。
 それにこの戦いに勝つためには、より創造的であり、より革新的でなければなりませんからね」

と、彼は発言していた。


公平に言って、任天堂がソニーやマイクロソフトと決して終わらない
技術競争をする気がないのは、かなり明白な事であろう。
その戦いから任天堂が降りてしまったのは、必ずしも喜ばしいものではないが
この決断によって、彼らがより広い顧客層に幅広いアピールをしていくようになったのもまた事実だ。


果たしてSwitchが彼らの目論見通り、持続可能な巨大な市場を築くことができるのだろうか。
どちらに転ぶにせよ今後数年間の任天堂の動向はとても面白いものになるだろう。
https://gamingbolt.com/sony-and-microsoft-are-not-our-competitors-says-nintendo-exec