小高氏:
 お願いします。
 ……ただ、はじめに断言しておきたいのは、何度も強調していることですが、“スパチュンが不満だった”というわけではありません。もっというと、“独立した”と言うと「ついに勝負に打って出るんだね!」なんて思われがちなのですが、それも違う。
 そもそも、今のゲーム業界において、僕らみたいなポジションで僕らがやりたい内容では、「勝てない」と思っているんですよ。

──勝てない……?

小高氏:
 僕らがよく「自社でオリジナルゲームを作ったら解散するかも」と言っているのも、「勝てない」という前提を共有しているからで。
 要するに、いくら成功したとしてもCygamesさんやレベルファイブさん、TYPE-MOONさんのような“大きい会社にはなれっこない”ということです。


──実は、もしかしたら「ビッグになるぜ」といった野望があるのかな? と思っていただけに、そのシビアな認識は意外ですね……。
 ますます、「なぜ独立したのか」が見えてきませんね。

小高氏:
 うーん。むしろ、「勝てない」と思っていたからこそ、独立したのかもしれません。
 というのも、会社に所属してパブリッシャーさんと仕事をしていると、どうしても「ヒットを飛ばすことによって勝たなくてはならない」という他人からのプレッシャーがつきまとうわけですよ。
 実際、僕の場合は『ダンガンロンパ』というブランドを作った経緯も含めて、結果を出さないとダメという立場に、段々と置かれつつあったと思います。
http://news.denfaminicogamer.jp/interview/190110