<平成ゲーム業界振り返り>第2回 “おきて破りの手” ソニーのゲーム機にマリオ?(全3回)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190427-00000029-mantan-game
ソニーにベンチャー的な恐ろしさを感じた瞬間がありました。
ソニーの関係者を取材中に、会話が脱線して「京都(任天堂)にマリオを出してもらえば……」という冗談を言いました。
ところが、相手は何事もないかのように、「そうですね」とそれを肯定したのです。

ソニーと任天堂の関係は複雑です。ソニーはかつて、任天堂と一緒にゲーム機を共同開発して決裂した経緯があります。
ゲーム業界のいろいろな人々から、両社の“意地の張り合い”があって、振り回されたというエピソードも何度か聞きました。
それも事実なのでしょうが、一方で考えられない“おきて破り”を思いつき、かつ実行しようとしていたわけです。

 現在、任天堂がソニーのゲーム機にソフトを供給してないため、この話は物別れに終わったのは明白ですが、失敗という結果は関係ないでしょう。
頼みにいくことは「頭を下げる」わけですが、そのプライドすら気にしないわけです。
とんでもない“思考の飛躍”と行動力がある限り、ソニーのゲーム事業は「盤石」と思わされました。

 現在、ソニーの決算は絶好調です。ただし、その好調を支えているゲーム事業の未来は、決して安泰というわけではないと思います。
携帯ゲーム機の「PSVita」も生産が終了します。PS4も売れ行きのピークが来ました。
そしていわゆる「PS5」、次世代ゲーム機の勝負では、任天堂をはじめとした他社のゲーム機だけが相手ではなく、
“最強のラスボス”としてアマゾンやアップル、グーグルのサービスが存在していることも、みなさんが察している通りでしょう。

 それでも、“おきて破り”の手段を考えられる限りは、“最強のラスボス”と互角以上の勝負ができる……と、おじさんゲーマーは思っています。
スマホでマリオが遊べる時代が来ました。将来に、任天堂がソニーのゲーム機にソフトを出すことは(もちろんその逆も)、
「絶対ない」とは言い切れないと思っているのです。