セガ・名越稔洋が語るクリエイター活動30年史。セガのハード事業撤退と任天堂との仕事、そして『龍が如く』成功の舞台裏【特別企画 後編】

すぐさま任天堂さんに行って。

――行動が早いですね(笑)。

名越 向こうは「レースゲームですか? 格闘ゲームですか?」みたいな感じだったんですけれど、俺は『スーパーモンキーボール』というソフトを作ることにしました。

――なぜ得意なジャンルのゲームを作らなかったのですか?

名越 手持ちのカードをどこから切るか考えたときに、得意なジャンルよりも初のファミリー向けタイトルを作りたいと思って。
だって任天堂のハードですからね。……そういう意味では、セガの看板を背負ってゲームを作るという意識はかなり薄かったかもしれないです(笑)。

――それはそれでいいんじゃないですか?(笑)。

名越 俺としては『スーパーモンキーボール』で経験値を溜めたいという気持ちがすごくあって作ってみたんですが、日本でぜんぜん売れなくて。
「これは、やっちゃったなあ」と思っていたら、海外でヒットしてくれたんです。でも、正直な話、俺は何で売れたかなんてぜんぜんわからない。
そんななか、当時のセガの社長に呼ばれて「お前はちゃんと海外を見ていたんだな」って褒められたんですよ。もちろん「そうです!」って答えましたけどね(笑)。

https://www.famitsu.com/news/201905/12176077.html