そもそも、なぜメディアはほかのゲームを紹介するのに「ダークソウル」の名前を使うのだろうか。
海外メディアのライター複数名にこうした理由について聞いてみたところ「高難易度アクションゲームとしてイメージしやすい」「セーブポイントのシステムが独特」「本格的なアクションゲームであることを示唆している」など、別々の答えが返ってきた。
ただ、読み手にどういうゲームであるかわかりやすくイメージさせたいという願いが根底にあるのは共通しているだろう。
「難易度が高く、何度も死ぬが、乗り越える快感があり〜」と説明するよりも「ダークソウルみたいな」と言ってしまうほうが簡潔かつわかりやすいのだ。
それほど『ダークソウル』が記号的な特徴を持っているという証でもある。
筆者もまたついつい「『ゼルダの伝説』を彷彿とする〜」といったフレーズを使ってしまいがちだ。
ほかにもコンピュータRPG『Rogue』に似たゲームを指す「ローグライク」という言葉も、しばしば無理くりに使われていることもある(最近ではローグライク要素を“軽く”受け継いだ「ローグライト」なる言葉もある)。
デザインや技術を受け継がせていく歴史背景があるゲームにおいて、何かに似ることはもちろんある。
しかし、ほかのゲーム作品の名を安易に出すことは、例えに用いられるゲームにも、その作品にもある程度の敬意を欠くというのは間違いない。
それぞれの作品には異なる魅力がある。「ダークソウルライク」にまつわる話では、そうしたリスペクトについて考えさせられる点があるだろう。