18年の世界のゲームコンテンツ市場は前年比2割増の13兆1774億円と推定されており、年々増加が
見込まれている。パッケージ商品の売り上げが落ち込むなかで、デジタル配信が急速に伸びてきている
のだ。これからのゲーム業界について、吉田氏はこう予測する。

「すでにディスクレスが進み、サブスクの
プラットフォームが主流になっているため、ソニーの今後のライバルは任天堂などのゲーム会社ではなく、
アップルやグーグルなどのプラットフォーマーになっていくでしょう」(同)

 IT業界の巨人であるグーグルが
クラウドゲームへの参入を表明し、9000万の月間アクティブユーザー数を誇るゲーム配信プラットフォーム
「Steam」が台頭するなど、激動の様相を呈しているゲーム業界。言うまでもなく、既存の事業者はビジネ
スモデルの転換を余儀なくされるだろう。

「ソニーに関して言うと、20年末にPS5が発売される頃には、
ソフトはほぼ配信のみになると思います。映像業界も同じですが、パッケージ商品はマニア向けにして
特典をつけて高く売るしかない。でも、そうした特典を求めるのは中高年のおっさんだけです。ゲームは
近い将来、ディスクがなくなり、新規参入も増え、このようなサブスクサービスがメインとなるでしょう」(同)


 クラウドゲームの国内市場規模は、22年には現在の10倍にあたる100億円を突破すると見込まれている。
ゲーム事業の好調を謳歌するソニーでさえも、今後は据え置きゲーム機ありきのビジネスモデルを転換
するなどの必要性に迫られるだろう。そのとき、本当の勝者となるのはどの企業なのだろうか。