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 23年3月期は2100万台の販売計画を立てた。オンラインで記者会見した古川俊太郎社長は「発売から6年目で2千万台規模の販売を目指すのは、当社の過去のゲーム機の歴史からみて未知の領域だ」と述べた。

■スイッチは「未知の領域」

 計画の障害となるのが半導体不足だ。古川社長は「昨年は年間を通じて半導体の需給がひっ迫し、生産が計画通りできない状況だった。現在も一部の部品で不足の解消が見えていない」と説明。販売計画は半導体が一定確保できた上での予想という。有機ELモデルの投入でスイッチが3タイプに広がったことで「一つの家庭で複数台を持ったり、初期に買ったスイッチを買い替えたりするなど購入のケースが多様化している」と高水準の計画に自信を示した。

■ソフト販売は好調維持

 ハードが減速する一方、ソフトは好調な勢いを維持している。22年3月期のソフト販売は2億3507万本となり、「あつ森」が販売を大きく押し上げた前期を400万本超上回った。同社はスイッチの販売が1億台に達したことで、ユーザーの裾野が広がったとみる。人気タイトルの新作「スプラトゥーン3」や「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」なども今期中に投入する予定で、23年3月期は2億1千万本のソフト販売を予想した。

 任天堂が目指す戦略は、スイッチの「長寿命化」だ。従来の歴代ゲーム機より長いライフサイクルで人気を維持すれば、次世代ゲーム機の開発に充てる資金や期間も増やすことができる。古川社長は次世代機について「将来のハードについては常に研究をしている。ハードとソフトが一体となった独自の遊びの提案にはこだわり続ける」と述べ、具体的な言及は避けた。