母親のアンネッテ・ジョヴァンナ・メラール(Annetta Giovanna Maillard, 1898-1945)はイタリア系であり、出産当時17歳であった。
彼女はリヴォルノの出身でリーヌ・マルサ(Line Marsa)の芸名のもとカフェのシンガーとして働いていた。エディットのミドルネーム「ジョヴァンナ」は母親からのものであった。
父親のルイ=アルフォンス・ガション(Louis-Alphonse Gassion, 1881-1944)は、アルジェリア人の血を引き過去に劇場で演技をしたこともある大道芸人であった。
両親は貧しく幼いエディットを養う経済的な余裕がなかったため、まもなく母方の祖母の元に短期間預けられた。
しかし彼女はエディットを忌み嫌い育児そのものを拒否したため、ほどなく父親はエディットを、ノルマンディーで売春宿を営んでいた自らの母親の元に連れて行った。
その後、彼は1916年にフランス軍に入隊する。こうしてエディットは、早い時期から娼婦やさまざまな売春宿への訪問者と接触をもち、このような状況は彼女の人格と人生観に強いインパクトを与えた。