私たちの肉体は、
生まれたときにできて、死ねば滅びます。
ところが、阿頼耶識は、肉体が生まれるずっと前から、
肉体が滅びても、滅びることなく続いていきます。
果てしない遠い過去から、永遠の未来に向かって流れて行く、
私たちの永遠の生命を阿頼耶識というのです。

私たちは普段、他の人と同じものを見ているようでいて、
同じように見えているとはまったく限りません。
阿頼耶識に蓄えられた自分の業力によって、
一人一人まったく違う世界を生みだして、
まったく違うものを見ているのです。

そして、肉体が滅びても、阿頼耶識は続いて行き、
蓄えられていた業力によって、
次の世界を生み出すのです。
そうやって私たちは、生まれ変わり死に変わり、
永遠に苦しみ迷いの世界を輪廻転生していくのです。

仏教で阿頼耶識が説かれているのは、
心理学の研究のためではありません。
私たちを本当の幸せにするためです。

すべての人は、やがて必ず死んで、阿頼耶識が次の世界に転生します。
そして、永久に輪廻転生し続け、苦しみ迷いの旅を続けます。

その死の大問題を解決して、
苦しみから離れ、永遠の幸せになるために説かれたのが
仏教です。