GO利用者総スパイ化計画!?ナイアンテックとCIAの関係とは

さて、今回の本連載は実はここからが本題です。
ナイアンティック・ラボはグーグルの社内ベンチャーが2015年10月に独立したものですが、もとはといえばCEOのジョン・ハンケ氏(John Hanke)が
2001年に設立したキーホール社を、グーグルが2004年に買収し傘下に収めたものでした。

ジョン・ハンケ氏は「Google Earth」「Google Map」の生みの親の1人としても知られています。現在49歳で、この業界では大変な高齢者です。
そして、ジョン・ハンケ氏が設立したキーホール社の設立資金のほとんどは、米国家地球空間情報局(NGA)と中央情報局(CIA)が出資によるものだったようです。

米国の国家機関がベンチャー企業に資金提供するのは珍しくありませんが、どうしても同社には「国家機関に協力していた」イメージがついて回ります。

そのキーホール社がグーグルを経てナイアンティック・ラボとなり、今後も「ポケモンGO」を世界展開していくわけです。
これは見方を変えれば、世界中のユーザーたち(すでに5000万人います)が、
世界中の街並み・建物・公園・各種施設の映像を、せっせとナイアンティック・ラボに(正確にはグーグルに)提供するということでもあります。

グーグルもフェイスブックもツイッターも、およそ米国のネットサービス企業は、顧客のアップロードした映像情報を国家機関に提供しています。
それは国家情報局(CIA)や国家安全保障局(NSA)で情報収集活動に関わり、
その手口を告発することで今は追われる身となったエドワード・スノーデン氏が明らかにしているところでもあります。

簡単に言えば、米国の国家機関が詳細な構造を知りたい施設などに希少キャラクターを置けば、ユーザーが意識せずに(キャラクターを捕獲するときに映像をとるから)貴重な映像が手に入るわけです。
これは本誌が勝手に危惧しているわけではなく、プーチン大統領がロシア国内の「ポケモンGO」の使用を禁止した理由からも明らかです。

当然ながら「ポケモンGO」は、中国ではリリースされないでしょう。
習近平・国家主席は軍事施設などの重要情報が漏えいすることに懸念を示しています。
「ポケモンGO」が話題となり利用者が増えるほど、こういった議論が