今年は新型コロナの感染予防のためインフルエンザの患者が少なかったと言われている
ところが感染者の推移を例年と比べてみると、感染予防だけが理由だとは考えにくいところがある
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/flu/flu/#suii

上記グラフより、例年ならインフルエンザの患者は1月中に急増するのに、今年はその部分が頭打ちになってることが見て取れる
1月を振り返ると、16日に日本で最初の新型コロナの感染者が報告されて「人から人への感染は否定できない」などと言われ始めたころ
そんな時期に新型コロナの感染予防を大勢の人が実践していたとは考えにくい

もしインフルエンザの患者が少ない理由が感染予防以外にあるとすればウイルスの干渉現象が思い当たる
ウイルスの干渉とは2種類(以上)のウイルスが感染すると一方あるいは両方の増殖が抑制される現象
最近の研究では新型コロナの第1波は既に終息していて現在は第2波だと言われている
その第1波が稀にしか症状が現れない性質で、1月や12月の時点で既に日本で感染が広がってインフルエンザと干渉を起こしていたのなら時期的な辻褄が合う

また干渉現象のほかに、第1波の感染が広がった影響として、第2波に対する交差免疫が働いた可能性が考えられる
交差免疫とはある抗原に対する免疫反応が本来とは異なる抗原にも反応する現象

この第1波がアジアを中心に拡大して、ヨーロッパやアメリカでは第1波が広がる前に第2波や第3波が広がったと考えれば、各地域の発症率や重症化率の違いも説明がしやすい
今のところ実態はつかめないけど、国や地域ごとの病状の違いは、第1波と交差免疫という観点を加えて考察してみるべきだと思う