https://news.yahoo.co.jp/articles/5be018fc68e72d8124d25182f40aa5b8adda34db?page=2


7月17日、スウェーデン公衆衛生局が行った記者会見によれば、首都ストックホルムにおける住民の新型コロナ抗体獲得率が
17.5%〜20%に達し、さらに、「T細胞」を介した免疫とあわせると、40%近くが免疫を獲得していると推定されるとし、
集団免疫はほぼ達成されたという。

集団免疫の獲得には、一般に人口の60〜70%の感染が必要と言われていたが、ストックホルム大学では、
5月頃から「40〜45%で十分ではないか」という予測が出されていた。

病原体に感染したとき、免疫担当のリンパ球「T細胞」がその病原体と戦って、情報を記憶することで抗体を持つ。
これを「獲得免疫」という。集団免疫は、当初はこの「獲得免疫」を前提としていたが、研究の結果、過去に従来の風邪を
引き起こすコロナウイルスに感染して、その情報を記憶した「T細胞」が、今回の新型コロナウイルスに対しても有効に
働いているケースがあるとわかってきたのだ。これを「交差免疫」という。

世界3大科学誌のひとつ、アメリカの『セル』誌に掲載された論文では、新型コロナの流行前に採取して、
保存していた血液を調べたところ、半数の人から新型コロナに反応する「T細胞」が検出されたことが明らかにされてもいる。

そして、現実にスウェーデンは、休業も休校も行わずに、極力自然に得た「獲得免疫」を持つ人と、「交差免疫」を持つ人とで集団免疫の獲得が完成しつつあるというのだ。