昨日12月31日、チェコやスロバキアが新規感染者最多を更新している。
ドイツもこの2、3週間、チェコと国境を接するザクセン州が特に被害を受けた。
現在はほんの少し減っている。
チェコと国境を接するもう一つの旧西ドイツバイエルン州の被害も依然大きい。

東ドイツは西ドイツに比べ、顕著に新規感染者や死者が少なかった。
それは、人口密度、カーニバルのような3密イベントの少なさなどが原因とされ、
ソ連株が接種されていたBCGを理由と見る人もいる。ドイツ人も肯定するか否かに
かかわらずBCG説があることを知っている専門家が現在は多い。

今冬のドイツ第二波でも旧東ベルリン地区は明らかに旧西ベルリン地区よりも
感染者の伸びが遅かったし、ドイツ全体でも新規感染者の伸びが周囲のヨーロッパ諸国より
明らかに遅かった。
ところが今ではザクセン州の伸びにより、
旧西ドイツより旧東ドイツの方が人口当たりの感染者累積が大きくなった。
ザクセン州に接する東独チューリンゲン州や東独ブランデンブルク州も被害が大きくなっている。
じわじわと被害が北上している感じだ。

ザクセン州とチェコは道路で結ばれており、物流をはじめ人の流れは断ち切れない。
世界的にはイギリス変異種、南アフリカ変異種、ナイジェリア変異種が話題になっているが、
チェコを中心とした中欧変異種も相当強力であると思われる。

ドイツは10月初頭の新規感染者2000人(日本の3000人に相当)から、一か月で10倍に伸びた。
ザクセン州が伸びてくるのは少し遅れたが、
特にクリスマス前の時期の伸びはチェコ変異種が大きな原因だったといえる。

ドイツはデモや秋休みや夏のバカンスの残滓、飲食店の解禁など緩和ムードはあったが、
10月から11月の間に特に特徴的な原因があったわけではない。