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【総合】ドラゴンクエスト4 導かれし者たち 第177章【DQ4/ドラクエ4】
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2018/11/26(月) 02:11:22.61ID:Ly7Iw1Eb
※次スレは>>980が立てること
・攻略サイト>>2-4、FAQその他…>>5以降

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■前スレ
【総合】ドラゴンクエスト4 導かれし者たち 第176章【DQ4/ドラクエ4】
http://krsw.5ch.net/test/read.cgi/ff/1536876352/
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2018/12/10(月) 02:58:59.38ID:vwIlZ/M7
第四章「碧い珠の秘密」

 そのころセーラは雨の中、街の外をとぼとぼと歩いていた。
(私は要らない人間)
(もうどこにも居場所はない)
止めどもなく涙があふれてきた。
当てもなくさまよい歩いているうちに、スライム8匹と遭遇した。
しかしセーラは完全に戦闘意欲を失っていた。
(またスライムかあ)
(さすがに誰も助けてくれないだろうなあ)
(今度はやられちゃうのかな)
(それもいいかな)

 スライムたちは無抵抗のセーラに、容赦なく攻撃を加える。
セーラは気を失った。
いつしかそこに昼間の占い師が立っている。
占い師はギラを唱えスライムを一掃した。
そしてセーラを背負うとどこかへ消えて行った。

「親父……」
カイは一人宿にいた。
「オレがもっと強ければ一緒に戦って、親父と村を救えたかもしれないのに。もっと、もっと強ければ……」
カイは悔しさで一杯になり涙をこぼした。

 夜が明け、雨は止んでいた。
マリアとアレフは一晩中セーラを探したが、見つけることはできなかった。
そのためいったん宿に戻り、休むことにした。
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2018/12/10(月) 03:01:56.14ID:vwIlZ/M7
 どこか見知らぬ場所で、セーラは目を覚ました。
起き上がろうとすると、声をかけられる。
「もうよいのか」
「あ、あなたは街で会ったおじいさん! もしかしてあなたが助けてくれたのですか? どうもありがとうございました」
「うむ、わしゃオルドという者じゃ。それよりどうしたというのじゃ。夜中に雨の中を一人で出歩くとは」
「あの……それは……」
「言いたくなければ言わんでもよい。ところでお主が持っている珠を見せてくれんかのう」
「これですか?」
「おおそれじゃ。ううむ、これはどうやら呪われているようじゃの」
「呪い?」
「うむ、この珠はな、いわばお主の力の源のようなものじゃ。だからけして壊したりなくしたりしてはならぬ。だが何者かがこの珠に呪いをかけ、お主の力を封じているのじゃ」
「それじゃ珠の呪いが解ければ……」
「お主が本来持つ力を使えるようになるはずじゃ。どれ、わしが呪いを解いてやろう」
そういうと、オルドは珠の周りに手をかざし、なにやら呪文を唱え始める。
すると珠の色が徐々に変わり、やがて青く光る珠が現れた。
「きれい……」
「ほれ。これを持ってみい」
オルドはセーラに碧い珠を渡した。
珠の光に呼応して、床に置いてある家宝の剣も光りだす。
「すごい……力が湧き上がってくる……」
なんとセーラのレベルが上がった!
「それが現時点でお主が本来持っている力じゃ。今のお主なら魔法も使えよう」
「私が魔法……」
セーラはうれしくなってきた。
「おじいさん! 何から何までありがとう! あっ、私の名前はセーラ。おじいさんの名前は聞きましたっけ」
「わしゃオルドじゃ」
「ああ、聞きましたよね。ごめんなさいおじいさん」
「だからわしゃオルド……まあよい。セーラよ、すぐ街に戻りお主がすべきことをするのじゃ!」
「はい! おじいさん、本当にありがとうございました!」
セーラは去って行った。
オルドがぽつりと言った。
「あやつ性格まで封印されておったか……」
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2018/12/10(月) 03:13:45.63ID:vwIlZ/M7
「さてと街はどっちかな」
セーラがさまよっているうちにまたもスライム8匹に遭遇した。
「昨日はやられたけど、今日はそうはいかないんだから」
セーラはギラを唱えた。
一撃でスライムたちを倒した。
「すごーい!」
セーラはもう有頂天である。
みんなに自分の新しい力を見てもらいたくて街へ急いだ。

 だがセーラがミラにつくと不穏な空気が流れていた。
なぜか魔物が街に入りこんでいるのである。
セーラがみんなを探すと魔物たちと戦っている。
「みんな! 大丈夫!?」
「あっ、セーラ! 今までどこに!? いえそれよりも今は魔物を倒すのが先決!」
「こいつら剣で切ろうとすると分裂するんだ!」
見ると辺りはメラゴーストだらけである。
「大丈夫。任せて」
不謹慎ながらセーラはくすっと笑ってしまった。
(昨日の夢はこれだったのね)

 剣を構えて魔物たちの前に立つ。
(まずは増殖した魔物をどうにかしないと)
セーラは二フラムを唱えた。
メラゴーストたちを光の中へ消し去った。
「すごい……」
(残りは二匹)
セーラは暴れコマ犬に切りかかる。
まさに瞬殺であった。
魔物たちは全滅した。

 セーラは改めて声をかける。
「みんな大丈夫?」
「ええ、もうMPがないけどあたしは大丈夫。それよりどうしたの!? その力!」
セーラはオルドのことを話した。
「そうか、呪いのせいでレベルが上がらなかったのか」
「でもセーラって剣だけじゃなく魔法も使えるのね。びっくりしちゃった」
「あれ? カイは?」
「回復できないのでそこらで倒れてるはずだ」

 そのときカイが声をあげた。
「オレはここだ」
「カイ、今治してあげる」
セーラはべホイミを唱えた。
「ええ!? 回復魔法まで使えるの!?」
マリアが驚く。
「大丈夫?」
「セーラ、すまん」
「え?」
「オレは君を足手まといだと言った。だがそう言ったオレがこのざまだ。ヒャド系の呪文が苦手なため、炎系の魔物が現れると手も足も出ない。本当の足手まといはオレがだったんだ」
「ううん、そんなことない。だってレベルアップしていっぱい呪文覚えるのこれからだもの。私も頑張るからカイも頑張ろ。ね?」
「ごめん、セーラ本当にごめん」
カイは心から後悔し、涙を浮かべて謝った。

「さて一見落着ね。ってそういえばセーラって今”カイ”て呼ばなかった?」
「どうやら能力とともに性格も変わってしまったようだな」
話をしているみんなをセーラが呼ぶ。
「何お話してるのー? ごはん食べてお風呂入ってたっぷり寝よー!」
マリアとアレフは顔を見合わせた。
0325名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 04:04:00.55ID:TSeCK6Ou
 魔王城では片腕が干からびた魔物が目を閉じて瞑想に集中していた。
「経験値にレベルか。人間とは健気で儚いものだ」
魔物はゆっくりと両の目を開き語りかけた。
「お前が手にしたその剣は魔界の者にしか装備できぬ。そして天空の剣もまた天空人の血を受け継いだ者にのみその真価を発揮することができる。血が必要なのだ。力を失った剣ではギルドラス様の封印は解けぬ。我が娘よ。天界の息のかかった者の血を集めるのだ」

 宿にて戦闘の疲れを癒し、マリア達との楽しい夕食を終えたセーラは少し夜風に当たろうと街に出ていた。
しばらく歩いているうち誰かに声をかけられた気がしてセーラの足がぴたりと止まった。
すると目の前の空間が裂けて渦となり、暗く禍々しい色をした旅の扉が出現した。
セーラは吸い込まれるようにその旅の扉に足を踏み入れていた。

 翌朝、セーラがいないことに気づいたマリア達が彼女を見つけたのは街はずれの湖のほとりであった。
セーラは膝を抱えて座っており、その小さな後ろ姿は水面に向かって誰かと話しているようにも見えた。
「セーラ、一人でどうしたの?」
アレフとカイを置いて先に駆け寄るマリア。
声に気がついたセーラは水面からふっと顔をあげて振り返った。
セーラの瑠璃色の瞳が縦に細長く閉じた。
「ひっ!!」
マリアは驚きのあまり声を上げて硬直した。
セーラの肌は雪よりも白く、まるで透けているかのようであった。
「お前は、一体……」
追ってきたアレフとカイはその妖しい美しさに思わず息を呑んだ。
「おはよう。マリア。アレフ。それにカイ」
セーラは優しく微笑んだ。
0326名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 07:01:04.77ID:TSeCK6Ou
 湖より奥の森の中でバルガは悩んでいた。
マタンゴの頭に座り、何度も何度も脚を組み替えてはいつまでも決断が出来ずにいた。
娘の居所はメーダの報告により掴んだ。
確かに生きていた。しかもだ。与えた傷すらまるで無かったかの如くピンピンしていた。
重度の火傷と凍傷。人間の治癒力で元通りに治る怪我ではない。
我が主メタルスライム様は娘を生け捕りにして来いと命じられた。
しかし。連れ帰ればそれは半身元のお方に知られることとなり、主様とそのお方は衝突。
自分も無事ですむはずがなく、恐らく命はない。

主様のお考えを想像するに、二つ可能性がある。

一つは、半身元のお方をはじめとする四天王の抹殺及びギルドラス様の魔力復活の阻止と再封印。
そして自らがスライムとして初の魔王となる。
いかに我が主様でも他の四天王と正面から戦って勝ち目は一分もない。主様自身そう話されていた。
四天王の戦闘を一度だけ見たことがあるが、あの方々はそれぞれが魔王を名乗るに足る力を持っている。
だが、半身ずつ別々に相手をすれば主様にも勝算はある。
主様にはいかなる魔法も効かない。半身元の方は魔術士系であり相性は良い。
外見だけは可愛らしいスライムなので一時的に人間側につくことも考えられる。

二つ目は半身元のお方と主様は通じている。
自分だけが何も知らず利用されている。この場合は、もはや逃げるしかない。
そして逃げるタイミングは今しかない。
事情を話して泣きついたところで保護して頂けるような、四天王はそんな甘い方々ではない。

いや、そもそも……四天王の半身を生け捕りになど出来るのだろうか。まず勝てないではないか。

バルガは椅子がわりにしていたマタンゴから降りて呟いた。
「よし。逃げよう」
0331名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 10:08:30.24ID:1avV/ZpD
誰かDSのDQ5要らんか
ソフトのみなら1400円で譲る
送料はこっちが負担、振り込み手数料発生する場合はそっちが負担
こっちはUFJ銀行、ゆうちょしか持っていない
0334名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 13:36:54.14ID:YlV7Tjr+
そりゃ旦那が世界救済とか新興宗教ばりの言葉残して行方不明なんだもん
30代の熟れた体も疼くってもんさ
0335名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 14:22:16.82ID:EbBU99Q3
客「武器を売ってくれないか」
ネネ「いらっしゃいませ、このせいぎのそろばんなどいかがですか」
客「向こうの武器屋の2倍はするな、なぜこんな高いんだ?」
ネネ「特定条件の返金補償積み立てプランを含む武器代金となっております」
客「なにっ どういうことだ」
ネネ「外の世界で魔物と戦うなどで倒れ、教会に搬送された場合に
 ○%のゴールドの返金保障、障害を負うなどし、冒険者引退となった折りには、
 ○%のゴールドの返金保障があります」
客「なるほど、この世界には、ゴールドを預けておける場所がないからな。
 手持ちで余剰なゴールドを持つことはリスクでもあるわけだ。
 急にゴールドが必要になるケースとは、おもに教会搬送時。よく考えてある」
ネネ「こうてつのきんこ を もった つもりで あんしんして
 ぼうけんに でることが できます 」
0337名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 18:01:18.51ID:Y54oX9Ct
トルネコ基金でアッテムトを救済してあげて下さい。

てかエスタークは破れたが鉱山は地下城まで繋がってるからこの先、事実上立入禁止か。
0338名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 19:33:04.34ID:rg0sC6mB
エスタークがアッテムトにいたのは意外だったよね
0341名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 20:22:02.56ID:rg0sC6mB
ライアンやアリーナあたりはべつに重いもの背負っての旅でもないじゃないか
0342名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 21:00:35.21ID:wMzVrF+h
>>341
ライアンは「伝説の勇者を探す」ことだし、アリーナ・クリフト・ブライは「サントハイムから人が消えた事の原因究明」だろうし、それなりに重い使命だと思うがな
0343名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 21:36:31.97ID:YlV7Tjr+
マーニャは軽いしエロい
0344名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 21:36:49.01ID:57w1hHJv
ライアンは強制されたり運命に翻弄されたわけじゃない自主的に目覚めた使命だけど
サントハイム一行は城の人がみんな行方不明になってしまったからかなり重いよ
0345名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 21:37:30.36ID:EZdilRbY
5章に入ってからは、キャラ、特に勇者を深めるイベントもストーリーない
堀井はゲームデザイナーとしては一流なんだろうが、話の作り手としては、そこら辺の漫画家にも劣る
0346名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 21:49:35.16ID:rg0sC6mB
>>345
5章でシンシアのことにふれてもよかったとおもうエンディングの最後でひょっこりでてきてもね
0347名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 22:06:02.68ID:Sg7RIqMy
ゲームとしてデザインしてるのに他業種と比較するアホ
勇者として育てられた故郷を滅ぼされ幼馴染を殺された
それだけで充分だ
0348名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 22:08:50.19ID:rg0sC6mB
デスピサロはかわいそうなラスボスだな 部下のエビプリに手をかまれたし
0351名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/10(月) 23:26:54.14ID:j25z3J8c
>>348
どこが?
こいつは奪われる覚悟も無いくせに弱者から平気で奪い続けてきやがったクズだろ
誰に何されても文句言えない立場、当然の報いを受けただけで全く同情の余地なし
0352名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/10(月) 23:42:50.59ID:IhPZIIBl
会話システムと6章によって整合性が滅茶苦茶になってしまっただけで、この作品のストーリーは最高だよ
FC版は、キャラの無言の中にユーザーの想像が広がりまくった
整合性はユーザーが各自で取る、ってのは21世紀の日本のエンタメがすっかりやめてしまった事ね
0355名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/11(火) 00:30:58.62ID:XqNzSslk
FC版みたいに5章で終わってればデスピサロもかわいそうな奴だったんだが(それがドラクエ4の良さだった)
6章という蛇足でそんな見方も吹っ飛びましたね
0356名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/11(火) 01:29:45.55ID:Xb/DYtD2
第五章「平和は誰のために」

 一行はミラを出て東へ向かっていた。
故郷のアルメリアが襲われた夜、大勢の魔物たちが東へ飛んで行くのを見たと、ミラで聞いたからである。
「このまままっすぐ行っても海しかないぞ。回り道してブランドール城へ行こう」
地図を見ていたカイが提案する。
一行はブランドールに向かうことにした。

 途中に湖があり、一行は一休みする。
セーラは水遊びを始めた。
他の三人はそれを見て話をしている。
「セーラは本当に明るくなったわね」
「明るくっていうかあれじゃ天然だぞ」
「俺は別に問題ないと思うが」
「ところでセーラって勇者だと思う?」
「わからん。天空の武具が装備できるか、勇者専用の呪文を使えるか、どちらも不明だ」
「でも攻撃魔法、回復魔法、それに剣が使えるぞ」
「それだけなら魔法戦士も同じだろう」
「相変わらずアレフは夢がないんだから。もしセーラが勇者なら、あたしたちも選ばれし者になるんじゃない?」
「それはともかく、セーラが勇者かどうかは、我々が決めることではない。様子を見るしかないだろう」
「まあそうだな」
三人はセーラを呼び、再びブランドールへ向かった。

 ブランドール城につくと、兵隊が訓練をしている姿が見えた。
聞くと最近魔物の被害が多いため、付近の魔物を退治し平和を守っているということである。
この世界では魔物に襲われることはそれほど珍しいことではない。
実際兵士の中にも、家族が魔物に襲われた者が何人もいた。

 途中、セーラたちを見かけて老人が話しかけてきた。
「わしにはわかる。お主たちは勇者一行じゃな。この国には、魔王甦りしとき碧き珠を持つ勇者旅立たん、という言い伝えがあるのじゃ。
最近各地で街が魔物に襲われたと聞く。そんな中お主たちが現れたのは、魔王が甦ろうとしておるのかもしれんのう」
「ところでお主たちは伝説の装備を手に入れなさったか? 四つの装備を手に入れると神様に会うことができるそうじゃ。神様なら魔王のこともなんとかしてくれるかもしれんぞ」

 城に入りブランドール王の下に行くと、王が二人いる。
セーラが目をこすっていると、一人は逃げ出した。
王が話しだす。
「今のはわしに化けたマネマネじゃ。いつごろからかあやつらがこの城に入り込んで、今のようないたずらをするようになったのじゃ。これまでのところは人に危害は加えておらぬが、いつどうなるかわからんからのう」

 王はさらに続ける。
「真実の姿を映し出すと言われるラーの鏡があれば、マネマネどもを元の姿に戻せるんじゃが。そこでそなたらを碧き珠を持つ勇者一行と見込んで頼みがある。近くの王家の塔にあるラーの鏡を取ってきて欲しいのじゃ。
あの塔は今や魔物の巣となっていて、この城の兵隊たちでは歯がたたんでのう。塔にはカギがかかっておるが、これで開くじゃろう」
というと王は盗賊のカギを渡した。
セーラは盗賊のカギを手に入れた。

 一行はラーの鏡を取りに王家の塔を上って行った。
確かに現れる魔物たちは手強い。
五階建ての塔の最上階が果てしなく遠く感じられた。
そんな中、セーラは新しい呪文を覚えた気がした。
頭の中に浮かんだ呪文を唱えてみるが、何も起こらなかった。
どうやら気のせいらしい。
セーラは特に気にしなかった。

 さてやっとラーの鏡を手に入れ王の下へ戻る。
鏡を渡すと王はセーラたちを褒めたたえた。
そして鏡を兵士長に渡しマネマネを退治するよう命じた。
ラーの鏡で元の姿に戻されたマネマネたちは次々と兵士たちに倒されていく。
たとえ魔物といえども、何の危害も加えていないものたちが倒されて行くありさまを、セーラは見ていられなかった。
やがてマネマネたちは全滅し、ブランドールの人々は喜んだ。
人々が魔物を恐れる気持ちはわかる。
だがセーラには納得しがたい結末であった。
0357名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 01:31:19.37ID:Xb/DYtD2
 セーラたちはブランドールで、マルドックという街に船があるという話を聞き、そこへ向かっていた。
その途中、森の中で獣用の罠にかかっているホイミスライムの子供を見つけた。
ホイミスライムは悲しそうにこちらを見ている。
マリアが罠を外し助けてやると、ホイミスライムはうれしそうに駆けていった。

「ちょっと、何するんだよマリア!」
「魔物を助けるとはどういうことだ」
「だってかわいそうじゃない」
「あいつが人を襲ったらどうするんだよ」
「私は悪い魔物だけじゃないと思うの」
「セーラまでそんなことを言うのか。俺は知らんぞ」
四人の雰囲気が悪くなってしまった。

 そして一行はマルドックに着いた。
街の中で話を聞くと、船は商人のソクラスが持っているという。
ソクラスは人がいい男のようで、街のみんなが褒めていた。
「ソクラスさんはいい人でねえ。よく街の仕事を手伝ってくれるんだよ」
「本当にあんな親切な人はいないね」
「あたしゃ前からやさしい人だと思っていたよ」

 一行がソクラスの家へ行くと、ソクラスはにこやかに出迎えてくれた。
「やあ、いらっしゃい。皆さんの噂はこの街まで届いています。おお、あなたが勇者様ですね。世界の平和をお願いしますよ」
そこに幼い少女がやってきた。
彼女はソクラスの娘でタニアという名前である。
マリアがあいさつをするとタニアもあいさつをし、ありがとうと言う。
だが四人にはありがとうの意味がわからなかった。

 さて一行の話は本題に入る。
船のことを聞くとソクラスは困った顔をして、しばらく考えさせて欲しいと話した。
この街の人も使うので急には貸せないようである。
取り敢えず四人はこの街に泊まることにした。
0358名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 01:32:24.40ID:Xb/DYtD2
 朝セーラが起きるとなにやら外が騒がしい。
三人に聞くとブランドール城の兵隊がやって来ているという。
一行が外に出てみると街は兵隊に取り囲まれていた。
兵士の一人に話しかけると、魔物がこの街に入って行くのを見たものがいるので、調べているところだと言う。
セーラたちはソクラスの家へ行ってみることにした。

 家に着くとソクラスが駆けよって来た。
「皆さんお願いです! 船を差し上げますので、今すぐ娘を連れて出かけてください! どうかお願いします!」
しかしセーラたちは急な話に戸惑っている。
そのとき兵士たちがやってきた。

「この家の者で魔物が街にいるのを見たものはおらんか!」
「い、いえ。見たことはありません……」
「そうか。しかし念のためだ。調べさせてもらう。おい、あれを」
「はっ」
兵士はラーの鏡を取り出し覗き込んだ。
鏡にはソクラスとタニアに姿を変えていたホイミスライムの親子の姿が映っている。
2匹は元の姿に戻ってしまった。
子供のホイミスライムは、森でマリアが助けた魔物であった。

「きさまたちが魔物だったのか! 撃て!」
セーラたちが助ける間もなく、ホイミスライムたちは撃たれた。
四人が駆けよると、ホイミスライムは虫の息で、子供の方は既に息絶えていた。

 ホイミスライムは弱々しい声で話す。
「わたしは以前この街の人に命を助けられました。その恩返しがしたくて、わたしは人間に姿を変えこの街に来たのです。少しはこの街のお役に立てたでしょうか。娘を罠から助けてくれてありがとうございました……」
「お願い、もうしゃべらないで!」
セーラが叫ぶ。
マリアがホイミをかけたがもはや効果がなかった。
ソクラスであった魔物は力尽き消えていった。

 セーラの心に怒りが湧いてくる。
「一体、一体この人たちが何をしたって言うの!?」
「なぜ魔物を倒して文句を言われなければならないのですかな。あなた方だって今までさんざん魔物を倒してきたのではありませんか?」
アレフがセーラの肩を叩き首を振る。
セーラはやりきれない気持ちでいっぱいであった。

 街の人々はソクラスのことを話し合っていた。
「ソクラスさんは魔物だったんだってねえ。よく誰も襲われなかったもんだよ」
「あんなに親切そうだったのも安心させる手だったんだね」
「あたしゃ前から裏がある人だと思っていたよ」

 街の教会では結婚式が行われている。
新郎・新婦はとても幸せそうである。
「エリックー、オリビアを大事にしろよー」
「二人ともお幸せにー」

 セーラはラーの鏡を取りに行ったことを激しく後悔した。
そしてもう一刻も早くこの街を出たかった。
ソクラスの船で東の大陸を目指す。
次は二人とも人間に生まれてきてねと、セーラは祈るのであった。
0362名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 09:28:51.69ID:I26COFYH
>>355
FC版の頃からかわいそうな奴ではない
6章云々以前の問題
>>359
そんな設定は無い
どこの誰がいつ魔物を無用に殺して回ったのか?
勇者達の事を言ってるなら、あれはあくまで自衛のために戦っている
経験値や金稼ぎのために戦っているのはプレイヤーであって勇者達ではない
0363名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 09:48:32.91ID:UrAosH8V
どっちが絶対に悪いと決めつけようとすること自体、このゲームから何を受け取ったの?と感じる
もちろんピサロはプレイヤー視点では許されざる悪であって、だからこそ最後に倒されるラスボスの役目が務まる
それでも、ピサロも可哀想なやつだったなと哀れむのがそんなに変なことではないと思うけどな
0364名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 10:24:50.06ID:ax03n1Xr
天空・人間・魔族、全部やりきれなかったり禍根があるのが4の良さだろ
バブルでウェーイなあの時代に、せいぜい環境破壊が問題視されてたくらいの頃に、そういうメッセージを撒いた堀井のセンスは凄い
0366名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/11(火) 10:42:34.73ID:S0L44lsx
3までずっとシンプルな魔族=悪で描いてきたが
4で毛色の違う描写をしてみましたと
でも基本構造は大きく変わってない
0367名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/11(火) 12:21:30.03ID:C0MKwRfC
>>363
因果応報、自業自得、傍迷惑な輩にしか見えん
他者を平気で傷付け奪うくせに自分が奪われるのは嫌だ許さんという究極の自己中だな
何も成せず、何もかもを失って惨めにくたばるのがこいつに似合いの末路
強いて言うなら木を見て森を見ずな視野の狭さ、スライム以下の頭の弱さを生まれ持ったのがかわいそうかもな
こんなカスに同情する気持ちなんざ受け取ってるのはこいつと同じくらい視野が狭く、頭が弱いピサロ信者だけだろ
0368名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/11(火) 12:35:09.97ID:/BFyt3Xf
>>367
ゲームの登場キャラによくそこまで憎しみを込めたコメントができるなとある意味感心するわ

人間ってのは生きてれば無自覚なうちに他存在に対する加害者・悪になってることがある
ピサロはそういう人間の負の側面や業といったものを分かりやすくディフォルメしたキャラで、だからこそ哀れみを誘うっていう感覚分からんかなあ
0370名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/11(火) 13:22:45.48ID:Nqfhosd5
>>366
だよな
3までの魔族=悪に加えて
人間は一部エルフを食い物にする悪者がいるとか、国同士で戦争したりとか
人間の悪い部分もキチンと描写してあるが
それを考慮しても
ロザリーが誘拐される前からピンサロは人類を滅ぼす気でいたし
何の罪も無い勇者を殺そうと村を全滅させてるし、一章からして勇者候補の幼児を誘拐してるしで
ピンサロが悪であることには変わり無いよな
0371名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/11(火) 13:47:04.37ID:OBYAZ57i
5スレの嫁論争でキャラ叩きしてるやつもそうだけど、フィクションの登場人物に対して距離感のおかしいやつがいるよな
0373名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 15:49:00.61ID:2woNzBI3
>>362
「とは言えない」という言葉の意味が分からんかね
「(直接的な表現がないからといってしていない)とは言えない」ということだよ
それで言えば
「ぼくたち にんげんは まものに おそわれたときの はんげきしか していない!」
という設定もないわけだし
人間のためという大義名分のもとに魔物の巣に先んじて攻め入っているかもしれないし
食料や素材のために狙って狩り殺しているかもしれない
0374名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 18:23:22.86ID:XqNzSslk
人間にとってピサロは悪以外の何者でもないのは間違いない
だが世界を全体的に見てピサロをただ単に悪と切り捨てるのは
そっちの方が視野が狭いと言わざるを得ないな
エルフが人間に住処を追われたとかエルフ狩りの実態もある以上は
人間を悪として滅ぼそうと思う者が居てもおかしくない
0375名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 18:26:52.54ID:XqNzSslk
ただロザリーをつけ狙う人間が目障りだから滅ぼそうとした
大事な者を守るための人類全滅野望にも見えたので(ロザリーが人間に救われたと聞いて考えを改めるあたり)
それだと魔物の時代を迎えるためにピサロに従い犠牲になってきた魔物たちがかわいそうかもしれない
0376名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 18:29:57.21ID:C2XxKHGa
>>374
>エルフが人間に住処を追われたとかエルフ狩りの実態もある以上は
>人間を悪として滅ぼそうと思う者が居てもおかしくない
そこで根絶やしにしようという発想が短慮過ぎるわな
0378名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 20:35:13.57ID:C0MKwRfC
>>373
>人間のためという大義名分のもとに魔物の巣に先んじて攻め入っているかもしれないし
>食料や素材のために狙って狩り殺しているかもしれない
それこそ妄想だろ
そんな作中に一切無い描写をでっち上げるな
脳内妄想を根拠にするならそれこそ「してないかもしれない」という主張も成立するし、言い出したらキリがないだろうが
>>374
山奥の村のようにエルフと共存している人間がいるのもまた事実であり、
よりによってエルフと共存している人間を虐殺したのが、その辺の事情とは一切関係ない魔族だな
まさに木を見て森を見ず、視野狭窄にして極めて短絡的な蛮行という他ない
あろうことか脳内妄想まで持ち出して、それを必死に擁護してる連中もな
0379名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 21:05:21.70ID:Nqfhosd5
>>374
その人間が悪であることは否定しないが
それを考慮に入れてもピンサロが悪であることは変わらないぞ
ピンサロがどんな悪行をしたか、人間がどんな被害を受けたか
今一度プレイし直して確認すればいい
0380名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 21:48:30.33ID:+G0h5oxk
>>378
>山奥の村のようにエルフと共存
エルフって?誰?
シンシアがエルフのキャラグラ流用してるからといってエルフとは限らない
エルフという設定はない
0382名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 22:12:10.92ID:k+zsEhME
もはや難癖だなw
FC版では汎用グラのエルフ、リメイク版では固有グラのエルフになってるだろ
明文化されてない以上、耳が尖っていても人間だ!とか言い張るつもりかw
0383名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 22:31:11.90ID:0roJOw+I
それ言い出したら、勇者たちは絶対に自衛目的でしか戦わないとか一切の罪を犯していないという根拠も無いけどな
ゲームシステム的なことを言い出したら結局どっちもどっち
明言されてない限り絶対的な根拠は無い。というところにしか落としどころはつけられない
0384名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 23:26:42.00ID:k+zsEhME
>>383
エルフじゃないならリメイク版で人間の固有グラに修正されるだろ
リメイク版でエルフの固有グラにされたという事実までねじ曲げるとかw
大好きなピサロ様を擁護するためとはいえ、現実逃避や妄想まで持ち出してどっちもどっち論を押し通すとはなw
仮にシンシアがエルフじゃなかったとして、大多数の人間はエルフを迫害していない事、ピサロがやらかした数々の悪行に何ら変わりないんだが
0385名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 23:35:16.24ID:c8AZAkSr
>>384
>大好きなピサロ様を擁護するため

そういうふうに相手の意見のスタンスを決めつけて罵倒するような物言いはやめて、もうちょっとニュートラルな物の見方ってものを覚えた方が良いよ
でないと、それこそピサロのような視野狭窄に陥るよ。というか既に陥ってるな
0386名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 23:38:47.45ID:C0MKwRfC
どうやらこいつらピサロ狂信者共に理屈は通じないようだな
罪の有無なんざ話のすり替えにも程があるし、こっちは作中の描写のみで語れと言ってるだけなんだが
0388名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 23:44:44.81ID:Pv3wsD30
ゲーム
0389名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/11(火) 23:48:58.82ID:k+zsEhME
>>385
作中の描写を一切無視、論拠が脳内妄想ではもはや話にならんと言っとるだけだよ
エルフグラだけどエルフじゃないとか言い出したら、エルフを迫害してた連中も人間グラだけど人間じゃないと言えてしまうだろw
互いに都合のいい妄想で語り出したらキリがない水掛け論にしかならない事すらわからないか
0392名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/12(水) 02:01:03.53ID:HSwvCoRc
第六章「二人の勇者(前編)」

 東の大陸に着いた一行は、近くにある祠に入り中の人に話を聞いてみた。
するとこの近くのセテロという街に、天空の盾があるという。
さらにその街には勇者がいるらしいということがわかった。
セーラたちはセテロに向かった。

 しかし、魔物たちも天空の盾がセテロにあることを知り、街に攻めてきていた。
だがこの街は、回りを山あいに囲まれた城塞都市であるため守りが固く、魔物たちの侵入を許さなかった。

 街へ着いた一行は門兵に中に入れてもらった。
だが既にこの街に魔物の一味が入り込んでいたことを、セーラたちは知る由もなかった。

 中に入りあたりを見渡すと、街の一角に盾を持った少年がいる。
彼が勇者と呼ばれる人物のようであった。
首から下げた珠は赤く輝いている。
「あちらの勇者さんは朱い珠なのね」
「私の碧い珠と何か関係があるのかな」
「まあまず情報収集してみよう」

 一行は彼のことを街の人々に聞いてみた。
最近までは気の弱い普通の少年だったようである。
しかしある日勇者として目覚め、呪文や天空の盾が使えるようになったという話であった。

 人々に話を聞いているとき、一人の男が走ってきてセーラにぶつかった。
「おっとごめんよ!」
そう言うと男はにやりとして去って行った。
「なによ、失礼な男ね。セーラ大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「一通り聞き終わったから彼に話を聞いてみるか」

 一行は少年に話しかけてみた。
「ボクの名前はレイ。ボクが魔王を倒す勇者さ」
レイはセーラの方を向いて話しかける。
「君が勇者と呼ばれている女の子だね。でも勇者は二人もいらないと思わないかい? そこで君が本物の勇者か試させてもらうよ。この天空の盾を装備できるかな?」

 レイは盾をセーラに渡した。
見ると古ぼけた盾である。
本当に天空の盾なのか半信半疑ながらも、盾を装備しようとした。
しかし盾は岩のように重く感じられ、装備することができない。
そして碧い珠は何の変化もなかった。

「やっぱり装備できないようだね。あとボクはこういう呪文も使えるんだ」
レイが呪文を唱えると、あたりに電撃が走る。
それは勇者だけが使えるデイン系の魔法、ライデインであった。
「君はこの魔法を使えるかい?」
セーラはうつむいて黙っている。
「さあみんな、これでどちらが本物かよくわかっただろう。偽物は追放だ!」

 セーラは兵士たちの手で、すぐさま街の外に放り出された。
「セーラは勇者じゃなかったのか……」
「あれだけ違いを見せつけられちゃなあ」
「でもたとえ勇者じゃなくたってセーラはセーラよ! あたし連れ戻してくる!」
マリアは街の外に向かおうとしたが、兵士たちに回りを取り囲まれた。
「な、なんなの?」
「君たちは今後ボクの仲間として、魔王退治の旅に付き合ってもらうよ。いいね?」
そう言い、レイは三人に笑いかけた。
0393名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/12(水) 02:07:52.52ID:HSwvCoRc
 街を追い出されたセーラは途方にくれていた。
彼女は勇者であることにこだわってはいなかったが、自分の存在理由を否定されたようで悲しかったのである。
誰か相談できる人がいればと考えながら、ふと以前碧い珠の呪いを解いてくれたオルドを思い出した。
(そうだ、あのおじいさんなら助けてくれるかもしれない)
セーラはそう考え、オルドの家が近いミラの街へルーラで飛んで行った。

 オルドに会ったセーラは、セテロの街での出来事を話した。
「ふむ、事情はわかった。ちとその碧い珠を見せてくれんか」
セーラは珠をオルドに渡す。
「ふうむ。よく見ると珠にくすみが見えるのう。多分魔物に細工をされたんじゃろ」
「細工?」
「以前の呪いのようなものじゃ。この細工をした魔物の近くにいると、碧い珠の力が封印されてしまうようじゃの」
そう言うとオルドは再び碧い珠を浄化してくれた。
「ほれ」
「おじいさんありがとう!」
「あとお主はライデインの呪文を、不完全な形で覚えたようじゃな」
「え?」
「ちとじっとしておれ」
そういうとオルドはセーラに喝を入れた。
セーラの頭の中で不完全な呪文が消え去り、新しい呪文が浮かび上がる。
「これでお主もライデインが使えるはずじゃ」
「それじゃ私、勇者なの?」
「そういうことになるかのう。まあ自信を持つことじゃ」

 だがセーラには以前から気になっている疑問があった。
それをオルドに聞いてみる。
「私、以前の記憶がないの。これも何かの封印なのかな」
「おそらくそうじゃろう。だがわしにはその封印の正体はわからぬ。残念ながらわしにはお主の記憶を戻すことはできんのじゃ」
「そうなんだ……」
セーラは肩を落とした。
「それよりお主の仲間が気になる。早く行ってやるのじゃ」
「はい!」
セーラは礼を言ってルーラで飛んで行った。
「なぜあやつが動き出したのじゃ」
オルドはそうつぶやいた。
0394名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/12(水) 02:09:31.81ID:HSwvCoRc
 そのころマリアたちはレイと話をしていた。
「この街にある天空の盾を狙って、以前から魔物たちが攻めて来ていたんだ」
「この街には城壁があるじゃないか」
「ああ。ただいくら周りに壁があるといっても、魔物たちを迎え撃つのは大変でね。ちょうどそのすみかがわかったんで、君たちとやっつけに行こうと思うんだ」
「その前にセーラを返して!」
「セーラ? ああ、あの偽物のことか。彼女のことはいまさらどうでもいいじゃないか。君たちは力を買われてボクに選ばれたんだよ。光栄じゃないのかい?」
三人があきれて黙っているので、レイは話を続けた。

「ここに攻めてくる魔物のボスをやっつけたら、次は勇者としての務めを果たすため、魔王退治の旅に出るつもりさ」
「俺たちが断ったらどうするんだ?」
「断ることもできるけどね。その場合にはしばらくここにいて兵士たちを鍛えてもらいたい」
「なんでオレたちがそこまでしなきゃならないんだ!」
「君たちが行かないのなら、君たちの代理を育ててもらいたいということさ。まあいい、もう一度聞くよ。ボクの仲間になるかい?」
「ちょっと相談させて」
マリアが即答を避けた。
「マリア、何かいい案があるのか?」
「ここは一度仲間になって、魔物のすみかに行ってからまたここに帰ってくる間に逃げ出すの」
「うまくいくかな」
「仲間になったふりでもしないと、多分この街から出られないと思う。セーラが心配だし」
「よし、それで行こう」
レイの方を振り向いてマリアが言った。
「わかった。仲間になるわ」

 かくしてマリアたちはレイとともに魔物のボスを倒すことになった。
「それじゃ魔物を退治して来るぞー!」
レイが声を張り上げる。
すると街中の人々が見送りに来た。
「きゃー、レイ頑張ってー!」
「兵士はもうかなり消耗している。なんとしても倒してくれよ!」
一行は出発した。
「人気あるのね」
「ボクは勇者だからね」
「見送りの時、兵士が消耗しているとか聞こえたが、そんなに魔物の攻撃は激しいのか」
「兵士たちは交代で一日中街を守っている。魔物はいつ攻めてくるかわからないからね。だけどもうみんなの疲れが限界なんだ」
「そうなのか……」
「だからどうしてもやつらのボスを倒さなければならない。そこでボクは経験豊富な君たちの力を借りることにしたんだ」
レイの話を聞いたマリアたちは複雑な気持ちであった。
0395名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/12(水) 05:16:15.64ID:+QMs0lAm
「私の罪は生きていること」
 メタルスライムは四天王の新参ということもあり、部屋は城の片隅にあり小さく粗末なものであった。
魔物に転生する以前、メタルスライムは小さな王宮にメイドとして仕えていた。
貧民出の彼女は根本的に自分に自信がなく、その言動は常に欺瞞に満ちていた。
そして自分より弱い人間を操ることを好む、非常に自己愛が強い性格であった。
夫を二人持ち、それぞれに子供を作り、さらに複数の男と関係を持ち、性の快楽に溺れて毎日を過ごした。
それでも彼女の心は満たされなかった。

「タチの悪い山賊ウルフ達に脅されていて、殺されたくなければ200万ゴールドを持ってこいと要求されています…」
彼女は愛人たちにいつもこういった相談を持ちかけた。
「貴方にもきっとご迷惑がかかりますわ。だから、もうお逢いすることは出来ません……」
そうして大金を巻き上げてきたが、自己嫌悪の波に飲まれた彼女は突発的に城の窓から身を投げた。
命は助かったが、頸椎を損傷し、彼女は首から下の感覚を失って寝たきりとなった。
二人の夫も愛人たちも彼女を見捨て、子供たちも去ったが、唯一残った愛人がいた。
その男に狂気じみた偏愛と屈辱を受けながら彼女は長い年月を生きた。
最終的にその偏愛の過程で彼女は窒息して息を引き取った。
死の直前、彼女はドス黒く濁った空と目映く光る太陽の中に幼い頃の自分の姿を見た。
駆けながら振り返り、楽しそうに手を振る自分の姿。

「いつでもガッカリさせて、いつも迷惑だけをかけてきた、私は、受け入れる、永遠の解放、喜び、怒り、恨み、いたわり、感謝、感動、後悔、恐怖、絶望。そして悲しみ……」
ーーー悲しみだけが私の心に残る最後の感情か。
心は最期まで無にはならない。

眩しい太陽の中心から一雫の露が彼女の身に落ちた。

全てを浄化する力、その一雫。
遥か向こう側の奥底に存在するは万物を支配する神か魔か。
新たに誕生した銀色に輝くスライムは激しい憎悪と悲しみを湛えながら、静かに笑った。

メタルスライムの部屋に轟音とともに激しい雷が落ち、手下の魔物たちが中に駆け込んだ。
メタルスライムは無傷であった。
「ご、ご無事ですか」
驚きと恐怖に震えながらバブルスライムが声をかける。
「ああ。何もない」
そのことに彼女は何だか可笑しくなりそのうちゲラゲラと爆発的に笑い出した。
0396名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/12(水) 05:45:04.24ID:a8AK/LHV
ヤクザが時に情を見せたりとか
他の悪人を懲らしめたりとかしても
基本的に暴力団は社会にとって悪だろ
ピサロと魔族もそんな様なもんじゃないか
0398名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/12(水) 09:14:24.42ID:naYpM2Rt
シナリオライターが下手くそなんだよ
後半はピンサロを倒すモチベーションを全くなくしてしまってる
ダメ押しで「やっぱりピンサロは許せない!」とプレーヤーに思わせるようなイベントを作らなければならなかった
お陰で、主人公とピンサロの関係がグズグズになった


で、ピンサロ様かわいそう、と言って仲間にするという、ゲーム史上最悪の愚行を犯すバカが現れる
0399名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/12(水) 09:55:44.29ID:WYKKxKWF
あいつらその後どうなったか語られないからな
5とかあるのに
0411名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/12(水) 19:08:45.06ID:L7TnzcDe
>>409
>>397が言いたいのは
「ロザリーを襲った連中は人間」と作中で明言されてるので>>389の言ってることはそもそも成り立たない
「シンシアがエルフではない」という推測と同等程度には「宿屋に泊まった詩人は魔族(ピサロ)ではない」という推測が成り立つ(が、いずれも普通に考えれば無理がある)
ということでしょ

何でもかんでもピサロ擁護ありきの意見だと決めつけて全方位に噛みつくなよ
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