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【総合】ドラゴンクエスト4 導かれし者たち 第177章【DQ4/ドラクエ4】
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2018/11/26(月) 02:11:22.61ID:Ly7Iw1Eb
※次スレは>>980が立てること
・攻略サイト>>2-4、FAQその他…>>5以降

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ドラゴンクエスト公式サイト天空の城下町
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DS版「ドラゴンクエスト」スペシャルサイト
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■前スレ
【総合】ドラゴンクエスト4 導かれし者たち 第176章【DQ4/ドラクエ4】
http://krsw.5ch.net/test/read.cgi/ff/1536876352/
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2018/12/13(木) 00:56:05.38ID:TLcWIpVX
「冥土の土産に教えてやろう。レイよ、おまえにその朱い珠を与えたのはわたしなのだ」
「そ、そんなばかな!」
「その珠は魔力でおまえの力を増幅している。つまりその珠の力がなくなれば、おまえも力をなくすというわけだ。そしてわたしはその珠の力を操ることができる」
ギドラが突き出した手を握ると、朱い珠の光は消えレイは地面へ崩れ落ちた。
「う、うう」
次にギドラは握った手を開いた。
すると珠は再び光り始め、レイに力が戻る。

「街は外からの守りが固いのでな、中から崩してやろうと思っていたのだ。だが街の中に満ちている聖なる気のため、思うように手が出せなかった。そんなときに、おまえが隠れて天空の盾を装備しているのを見て利用することを思いついたのだ」
「それが……この朱い珠なのか」
「そうだ。力を欲していたおまえに力を与え、有頂天になったところにわたしの居場所を教えれば、天空の盾を持って街を出て、わたしを倒しにやってくると考えたのだ」
レイはもう言葉が出なかった。
「そしておまえはわたしの思惑通り、こうして盾を持ってのこのことやってきた。後はお前を殺して天空の盾を奪うだけだ」

 そう言うとギドラはレイに襲いかかった。
レイはギドラの攻撃を盾で受ける。
だが天空の盾は真っ二つに割れてしまった。
「そんな……天空の盾が割れるなんて……」
「ふん、盾は偽物であったか。それではおまえも偽の勇者なのだな」
「ボクが偽物……」
「とんだ茶番であった。もうよい」

 ギドラが力を込めると朱い珠は粉々に砕け散った。
レイは苦しげに倒れこむ。
三人はレイのそばに駆けよるが、呪文が封じられていて何もできない。

「何をしようと無駄だ。今までその珠の魔力で、能力以上の力を無理やり引き出していたのだ。その魔力がなくなった今、生きられはしまい」
「なんて……なんてひどいことを!」
「ここまで人をもてあそぶのか!」
「安心しろ。四人ともまとめて片づけてやる」
ギドラはイオナズンの呪文を唱え始めた。マリアたちは観念し目を閉じた。
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2018/12/13(木) 01:01:54.67ID:TLcWIpVX
 そのときどこからかブーメランが飛んできて、ギドラの目に刺さった。
ギドラはブーメランを投げ捨て叫んだ。
「だ、誰だ!」
一行が目を開けると一人の少女が立っている。
「セーラ!」
「遅れてごめんね」
「それよりレイが!」

 セーラが駆けよるとレイは目を開けた。
セーラはベホイミを唱えた。
しかしもはやレイには効果がなかった。
目に涙を浮かべながら、レイがセーラに謝る。
「ごめんよ……偽物はボクの方だった。それにあの天空の盾も偽物だったみたいだ。魔物の思い通りに操られていた自分が情けない……お願いだ。ボクの代りに世界を平和にして……」
レイは静かに息を引き取った。

「別れは済んだか? それではおまえにも死んでもらおう」
「許さない」
セーラは激しい怒りに震えた。
セーラがふと碧い珠を見ると、青い光が溢れている。
その光を受け、割れた盾も光り始めた。
ゆっくりと空中に浮き上がった盾の欠片は一つになり、みるみる形を変え、やがて新しい盾へと変化した。
セーラが盾を装備すると、左手にしっくりとなじむ。
これが天空の盾の真の姿であった。

「おまえの珠はわたしの前では封じられるはず。それがなぜ……」
「あてが外れたようね。いくわよ!」
すかさずギドラは静寂の玉を使おうとした。
だがカイが先ほどのブーメランで静寂の玉をたたき落とした。
「おのれ!」
ギドラはイオナズンの呪文を唱え始めた。
セーラは、天空の盾の輝きが先程より増していることに気がついた。
そして盾を天にかざしてみる。
セーラの前に輝く光の壁が現れた。
ギドラの呪文は光の壁に弾かれ、逆にギドラに襲いかかる。
敵の呪文を封じたセーラは、さらに攻撃を重ねる。
もはやギドラは敵ではなかった。
セーラがとどめの呪文を唱えると、電撃がギドラを焼き尽くす。
ギドラを倒した。

「今のは……ライデイン?」
「セーラもライデインが使えるのか!」
「やっぱりセーラが勇者だったんだな」
「みんな大丈夫?」
セーラは三人にベホイミをかけた。
「ありがとう。オレたちは平気だけど……」
「レイが……」
「レイの最後の願いはなんとしても叶えよう」

 一行は決意を新たにセテロを後にした。
セーラは心の中でつぶやく。
(さようなら、もう一人の勇者さん)
0421名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/13(木) 07:05:18.15ID:vjXUvJAO
獅子の魔物と黄金の鎧騎士がチェスをしていた。
台には巨大なゴーレムの頭部が使われている。
四天王の中では仲が良い二人は、こうしてたまにチェスを嗜む。

「盾を取りに行ったギドラも帰らないそうだね」
黄金の鎧騎士が駒を動かしてポーンを取った。
「人のこと言えなかったね。というかやっぱ君の手下は弱いんじゃない? ケモノ系だし」
「グルル! ギドラなどに期待したオレが間違いだった。今度はオレ自ら行ってやる」
獅子の魔物は指笛でガルーダを呼ぼうとした。
「待て、冗談だよ。恐らくギドラは天空の盾を装備したその人間に返り討ちにあったんだろう。ならばそいつが勇者でほぼ確だ。パーティはどんな構成?」
「戻った部下に聞いたところ、勇者以外はゴミのようだな」
「なるほど。だがボクも同行しよう。君の力なら人間が何人いようが関係ないが用心に越したことはない」
鎧騎士は取ったチェス駒を手のひらに乗せてジャラジャラと動かした。
「キングを守るクイーン、ルーク、ビショップ、ナイト。月並みだがチェスの駒に例えるなら君はルークのように直情的だからね」
「ふん。いらぬ心配だ。オレ一人で充分!」
「いや駄目だよ。君がいつかのように思わぬ深手を負って再生まで時間がかかると困る。君とは一番気が合うんだ。チェスは弱いけどさ」
「余計な一言を…付いてくるのは良いが手は出すなよ」
「オーケー。あと剣のほうだけど封印は解けないが本物っぽい。勇者に装備させないと錆びが取れないから一緒に持っていくよ」
「ギルドラス様がまだ殆どお話しになられないのはそういうことか」
「長年手がかりさえ掴めなかったのに、最初の剣を探し当ててから盾もすぐに見つかった。とすれば悔しいがあいつの言葉は正しい。残りの装備も集めてもらうまで勇者は生かしておかなくちゃいけない」
「グルルルル…勇者は盾だけ奪い半殺し、仲間どもは八つ裂きにして殺す!!」
「復讐に燃えて早く探してもらわないとね。最後の装備を手にした時が」

鎧騎士がチェックメイトと獅子の魔物のキングを取った。
「勇者が死ぬときだ」
0423名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/13(木) 07:44:25.37ID:vjXUvJAO
 ギドラを倒した一行は戻る途中で突然の雨に見舞われたため、森の中でテントを開いた。
「少し雨に当たってくるね」
セーラは一人で外に出ていった。

「マリア、アレフ、後をつけてみないか」
カイがそう言うとマリアが激昂した。
「馬鹿ね! セーラは戦いのあとの汗を気にしてるの! ったく男はデリカシーがないんだから」
「そ、そうは言うがこの前のことを忘れたのか?」
「あの時のセーラの姿は水面に乱反射した光のせいだった。そういうことで落ち着いただろう」
「お前たちは本心でそう納得しているのか。オレは納得していない。あんなのは普通じゃない」
「誰にだって触れて欲しくないことはあるわ」
「ああ、それにセーラが勇者なら天空の不思議な力で姿が変わるのもあり得ることだ」
「わかった。お前らには頼まん。オレは自分のために行くぞ」
テントを飛び出すカイ。
(違う、あれはそういうんじゃない、もっとこう、そうだ、邪悪なものだった。でもセーラは天空の盾を装備できたしライデインも使えた。あのときの変化をもう一度オレがこの目で見れば恐らくはっきりするはずだ…)

セーラは天を仰いで雨のシャワーを浴びていた。
装備を脱ぎ捨て、服はびしょ濡れであった。
木陰に隠れたカイはやましい気持ちになり少し後悔した。
「……!!?」
セーラは恐ろしく巨大な二つの気配に気づき、キョロキョロと辺りを見回した。
「やばい、ばれた」
カイがそう思った瞬間、大きな体躯をした魔物が二匹、空から飛び降りて地に着地した。
空を見上げるととびきり大きなガルーダがばさばさ羽ばたきしており、数十匹の魔物が降りてきた。

「あなたたち…」
セーラは二匹の魔物をキッと睨みつけた。


その少し離れた場所の洞穴で数匹のマタンゴやハエ男野宿していたバルガも、気配を感じとり飛び上がった。
「やべえ。四天王の誰かが俺を殺しに来やがった。やっべえ…やっべえええええ!」
オロオロするバルガを見て手下のマタンゴたちも「どうします? どうします? とあたふたし出した。
0426名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/13(木) 12:27:39.15ID:O6xV3MUY
「むっ?」
干からびた片腕の魔物はすぐに察した。
(あやつらめ……)
他の四天王に詳しい話をしていないことには理由があった。
娘の身体を生み出す術の触媒として、天空人の頭骨を使用し体内に取り込み育てた。
そのような話をすれば面倒なことになる。

頭骨の持ち主は名前をルーテシアと言った。
ルーテシアは天空産の高級馬車の名前でもあり大変に希少な車種であった。
我らは馬車好きが集まる祭りに人間に化けて参加しており、そこで知り合った。
車のフォルム同様に美しい容姿をしたルーテシアはすぐに我が魔性を見抜いたが、離れてはいかなかった。
百年以上昔の話だが、車のマニアックな知識を嬉々として語るルーテシアの姿は昨日のことのように思い出せる。

「こんなに車について深いお話ができたのは久しぶりで嬉しい。どうも有難う。貴方さまは内に多くの光を宿した良い魔物。天空人の私が言うんだから間違いありません!」
「良い魔物……?そんなものが存在するのか」
「どんな生き物にも、植物にさえ善と悪の両面があります。私にだって。そのどちらが強いか弱いかによって色が違って見えるだけなのですよ。私は貴方さまのこと、好きです」

それから程なくしてギルドラス様の命により、我はルーテシアを殺して食った。

ルーテシアは少しだけ涙を流したが、説得も命乞いも抵抗もしなかった。
良性の魔物など存在するはずがない。
まして我は大魔王の側近。四天王の長。
その我を懐柔しようとした馬鹿な天空人の女は、我に何を見て、そして何を信じたのか。
他にも天空人の頭蓋などを触媒に使い術を試みたことはあるが、全て我の体内で消滅した。
ルーテシアだけが耐え得る力を持っていた特別な天空人であり、それ故に我はその名前を記憶している。
我が愛しき娘はルーテシアの生まれ変わり。
魔族でありながら天空人の性質をも有する、我の最高傑作である。
「娘よ。今は退くのだ」

獅子の魔物が黄金の騎士に聞いた。
「こりゃあ一体どういうことだ?」
「一見ただの人間に見えるが同胞のニオイがぷんぷんするね」
「盾も装備していないし勇者ではないのか」
「試してみよう」
キラーアーマー四匹が同時にセーラに襲いかかった!

セーラの瞳が盾に割れて足元は僅かに宙に浮いた。
四本の槍はそのままセーラの身体を通り抜け、キラーアーマーは同士討ちとなった。

セーラは口を結んで下唇を噛み、獅子と騎士の魔物だけを警戒して睨みつけていた。
雨で濡れているセーラ頰に一筋の汗が流れた。

「すり抜けた!?馬鹿な」
黄金の騎士は目を疑った。
カイは加勢に出ることが出来ず、木陰からその様子を見て目をこすった。
0431名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/13(木) 19:39:05.01ID:1a7DQcGO
>>398
そんなもんいらねえよ
そんなのを入れる方がよっぽど視野の狭い三流シナリオだ
悪行なんて山奥の村でやった虐殺だけで充分すぎる
むしろ後半はピンサロを憎しみで倒すのではなく
暴走を止める方にストーリーは重きを置いているのは良いことだろ
0435名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/13(木) 22:00:11.58ID:wxYABJZB
もともとの堀井雄二の頭にあったピサロ救済の6章を観たかったのであって
三流二次創作者による仲間会話茶番6章を観たいのではないのだよな

なんとか堀井雄二の6章をきちんとリメイクしてくれないかねえ
0437名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/14(金) 04:52:01.36ID:KL/MsVWu
第八章「小さな友達」

 マーベル城の城下街にププルという幼い男の子がいた。
彼の家では両親が宿屋を営んでいる。
近くには同世代の子供がいなかったため、ププルはいつも一人で遊んでいた。

 ある日のこと、どこから紛れ込んだのか、ププルは街中でスライムを見かけた。
だがどう見ても危険なものには見えない。
スライムは何かを訴えるかのように、ププルの前で跳ねている。
ププルは試しに持っていたパンのかけらをあげてみた。
するとスライムはそれを食べた、というか体内に取り込んだ。
スライムは喜んだのか、ププルの肩や頭に飛び乗って跳ねている。
ププルはしばらくスライムと遊んでいた。

 そのうち暗くなってきたので、ププルはスライムと別れ、家に帰ろうとした。
だがスライムはププルの後をついてきてしまう。
どうしても離れないので、彼は家に連れていくことにした。

 両親にわからないように懐に入れ、自分の部屋に入りスライムを出してやると、部屋の中を飛び跳ね回る。
ププルは名前をつけてやろうと思い、しばらく考えた。
「そうだトンヌラというのはどうかな」
ププルはつい声に出してしまったが、スライムは反応しなかった。
「気に入らないのかな。それじゃゲレゲレは?」
しかし今度も黙っている。
「うーん、うーん。じゃあサスケ!」
「ピキー!」
どうやら気に入ったようである。
「よし今日からおまえの名前はサスケだ!」

 こうしてププルは毎日サスケと遊ぶようになった。
だがいくらププルになついてるといえども、他の人から見ればサスケは単なる魔物である。
ププルは他の人に気づかれないように注意して毎日を過ごした。。
ところがそれにもかかわらず見つかってしまったのであった。

「それ君のペット?」
その少女はププルの後ろから声をかけてきた。
ププルはびっくりして後ろを振り向き、しばらくしてから答えた。
「ううん、友達のサスケだよ」
「お友達なのね。ゴメンゴメン」
「お姉ちゃん、お願い。サスケのことは誰にも言わないで」
「大丈夫。誰にも言わないから」
「ありがとう。僕の名前はププルっていうんだ」
「私はセーラ。よろしくね」

 セーラもときどきププルのところに来て、サスケと一緒に遊んだ。
「かわいいね」
「うん、それにサスケはとっても賢いんだよ。ほら、見ててね」
ププルがパンのかけらを空中に放り投げると、サスケは飛び上がりそれを食べる。
「本当だ。すごいのね」
「うん、これでしゃべれるようになればなあ」
「もっと大きくなればきっとしゃべるようになるわよ」
「早くサスケと話をしたいなあ」
0438名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/14(金) 04:54:14.78ID:KL/MsVWu
 そんなある日、ププルはいつもの場所でサスケと遊んでいた。
だが今日は朝から何となく体調が悪い。
「セーラお姉ちゃん、今日は来ないのかな……」
ププルはしばらく待っていたが、セーラが来る様子がないので今日は早めに帰ることにした。
しかし立ち上がったとたんめまいがして倒れてしまった。
サスケが顔の上に乗っても目を覚まさない。
どうやら気を失っているようである。
サスケは街を走りププルの家へ向かった。

 途中サスケを見かけた人々は、スライムが街の中を走っているので驚いていた。
ププルの家に着いたサスケはププルの父親のズボンの裾をくわえ引っ張った。
「な、なんだ? うわ! なんで魔物がここに!?」
「あわわ。た、助けておくれ!」
だがサスケはさらにズボンを引っ張る。
「お、おい、誰か助けを呼んできてくれ!」
するとサスケは離れ、じっと二人を見ている。
「おまえさん、もしかしてこの魔物はあたしたちをどこかへ連れてこうとしてるんじゃないかい?」
「ま、まさかププルが!」
するとサスケは走り出した。
ププルの両親も追いかけていく。
着いたところにはププルが倒れてた。
驚いた二人はププルを家へ運び医者に見せた。
あやうく肺炎にかかるところであったらしい。
ププルの両親はサスケに感謝した。
しかし街の人々の反応はあまりいいものではなかった。

 ププルが目覚めると、そこは自分のベッドの上であった。
サスケがうれしそうに飛び跳ねている。
「あれ、なんでここに……」
そこへ母親がやってきた。
「おや、起きたのかい。おまえが外で倒れていたのを、そのスライムが知らせに来てくれたんだよ」
「サスケ……ありがとう」
0439名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/14(金) 04:55:13.10ID:KL/MsVWu
 そのとき遠くから地響きが聞こえてきた。
音はだんだん近づいてきて、街の前で止まった。
街にボストロールが現れた。
「勇者を出せ。俺は勇者がここにいると聞いて倒しに来たのだ」
しかし街の人々は逃げまどうばかりである。
「俺の言うことがわからんのか。ならば勇者が出てくるまで街を破壊してやる」

 ボストロールが手にした棍棒を振り下すと、家は簡単につぶれてしまった。
「どうした勇者! 早く出てこないと街が全滅してしまうぞ!」
ボストロールは次々と街の中を破壊していく。
「まだ出てこないとは見下げ果てたものだな。臆病者の勇者でおまえたちも無念であろう。俺を恨むなよ」
というと棍棒をふりあげる。

「そこまでよ!」
セーラが駆け付けた。
「やっと来たか。しかし遅かったな。街はもうあらかた壊してしまったぞ」
「街の人の平和を奪うとは……許せない!」
セーラはボストロールに切りかかった。
しかし固い体に阻まれ容易に倒せそうにない。
今度はボストロールがすさまじい力で殴りかかってきた。
セーラは盾で受け流すがそれでも腕がしびれてくる。
そして痛恨の一撃を受けセーラの体がふき飛んでしまった。

 ボストロールは再び棍棒を振り上げた。
そこへサスケがボストロールの顔面に張り付き視界を塞いだ。
いきなり目の前が真っ暗になり、ボストロールはメチャクチャに棍棒を振り回している。
セーラは隙を見てボストロールの急所を刺し貫いた。
ボストロールを倒した。

 だが戦いが終わった後の街の人々の反応は冷たかった。
「あんたが勇者か。いるのならなんでもっと早く出てきてくれなかったんだ」
「そうよ。あたしの家を返してよ!」
「あんたがこの街に来なければ、あの魔物もここに来ることはなかったんだ。あんたがいると魔物を呼び寄せる。早く街から出ていってくれ」
そして人々はセーラに向かって石を投げ始めた。

 するとそこに、セーラをかばうようにププルが現れた。
石がププルの額に当たり血が流れ出す。
それでもひるまず人々に話しかけた。
「違うよ。お姉ちゃんは悪くないよ。お姉ちゃんは僕らを助けてくれたんだ。悪いのは街を壊した魔物だよ!」
「なんだスライムを飼っている坊主か。まさかおまえのスライムが手引きしたんじゃないだろうな。こっちも迷惑なんだよ。早く捨てるかどうにかしてくれ」
「やめんか、ばかもの!」
騒ぎを聞きつけマーベル王がやってきた。

「まったくその子供の言う通りじゃ。わしらを救ってくれた勇者殿を悪者にするとはいったいどう言うことじゃ。あまつさえ早く出ていけとはわしは情けないわ」
「でも王様、もっと早く勇者様が出てきてくれれば街の被害は少なかったのです」
「勇者殿は今までわしの頼みで出かけていて、先ほど戻ってきたばかりじゃ。おまえたちはいつから人の事情を考えず、自分たちの都合だけでものを考えるようになったのだ。そしてそのスライムでさえあの魔物に向かっていった。おまえたちはその間一体何をしていたのじゃ!」
街の人々は黙ってしまった。

 しばらくして、サスケは少し離れた村にいるモンスターじいさんという人に預けられることになった。
やはり街の人の安全を考えてのことである。
檻に入れられサスケが悲しそうな声を上げる。
「サスケ、ごめんよ。僕がもっと大人だったらよかったのに」
「大丈夫よ。君はいつでも会いに行ける。サスケもきっと君のことを忘れないから」
セーラが慰める。
「なんで、なんでサスケは人間に生まれてこなかったんだろう……」
そう言うと、ププルの目から今まで我慢していた涙があふれた。

 ププルはサスケを見送る。
ププルの耳からはいつまでもサスケの鳴き声が離れなかった。
0449名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/15(土) 01:57:07.90ID:S8688BmS
過去スレでちょいちょい出てたな

とりあえずググって見つかるのはこれ

ttps://wikiwiki.jp/dqdic3rd/%E3%80%90%E3%83%94%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%80%91

『DQ4』の『評価』ってとこ
0459名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/16(日) 02:47:15.22ID:f4CBEh3N
ドラクエ10の最新ストーリーでバルザック(化け物姿)に子孫(人間姿)がいたの発覚してワロタ
ナンバリングだから正史になるんだよな?
0460名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/16(日) 03:16:48.07ID:Jow6BAn1
あんまり後付けするとコワイ人出るぞ
0462名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/16(日) 09:10:01.63ID:viZ8iiQW
エックスくんの曾祖父の可能性急浮上
0467名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/17(月) 00:00:52.42ID:Jpa9BYIU
第十章「砕かれた碧い珠」

 織物の村ロマーナで、ルナパークの街に天空の兜があるという噂を聞いた一行は、街を目指して歩いていた。
「これでやっと二つ目か」
「あればの話だけどね」
「また魔物が襲って来るんだろうな」
「たぶん来るわね」

 ルナパークの街に着いた四人は、話を聞こうと街の人を探した。
しかし妙に人の数が少ない。
店の商人や宿屋の女将などはいるのだが、一般の家に住んでる人がまるでどこかに行ってしまったようである。

 そのうち急いでどこかへ向かっている人がいたので捕まえて聞いてみる。
「あんたたち旅の人かい? ここに魔物が攻めてくるそうだから、早く逃げた方がいいよ!」
それだけ言うと、その人は走り去ってしまった。

 さらにセーラたちは人を探した。
やっと宿屋の二階で人を見つけたので尋ねてみると意外な事実が聞けた。
「数日前使い魔がやってきて街の人にこう告げたのです。天空の兜を取りに行くので用意しておけ。もしなかった場合にはおまえたちの街を全滅させると。それから街の人たちはどこかに避難を始めました。そして魔物がやってくるのは今日なのです!」

 宿屋から出るとだいぶ暗くなっていた。
一行はふと異様な雰囲気を感じ、あたりを見回した。
すると北西の空から大勢の魔物がやってくるのが見えた。
やがて魔物たちは街の近くに降り立ち、その中から巨大な魔物が近づいてきた。

「俺はゴラムだ。おまえたち早く天空の兜をよこすのだ」
四人が相談していると、ゴラムが気づいた。
「おまえたちは勇者一行か。ちょうどいい。ギルドラス様からはおまえたちも殺すように命令されているからな」
「ギルドラス? ギルドラスとは誰だ!」
「ばかなやつだ。そんなことも知らんのか。ギルドラス様は我々四天王や魔物たちの頂点に立つ魔王様だ」

 四人はまた何か相談した。
「ねえ、何で天空装備を狙うの?」
「おまえは勇者のくせに何も知らんのだな。ギルドラス様はもう体は復活している。だがまだ魔力が戻っていない。魔力を復活させるためには四つの天空装備が必要なのだ」
「でも魔力だったら天空装備よりもあなたたちの方が持っていると思うんだけど」
ゴラムはしばらく考えていたが答えは出なかった。

「俺がわからんことを聞くな!」
そしていきなり暴れだした。
それに合わせて他の魔物たちも襲ってきた。
「だめだ。街の中で戦ったらマーベルの街の二の舞になる!」
「街の外におびき出して!」
四人は街の外に出ていき呪文で攻撃する。
しかし倒しても倒しても、魔物の数は一向に減らない。
戦いは完全に長期戦となっていった。
0468名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/17(月) 00:01:45.80ID:Jpa9BYIU
 どのぐらい戦ったであろうか。
ベホマで体力は戻っても、精神力までは全快しない。
「おい、一体こいつら何匹いるんだ!」
「わからん! どこかに魔物の巣でもあるんじゃないか!」
魔物の巣と聞いて、セーラはふと考えた。
ミラの街では魔物は東から来たと聞いた。
だが今回は魔物は北西から来ている。
その交差するところが”魔物の巣”。

「セーラ、危ない!」
マリアが叫んだが一瞬遅く、セーラの体はゴラムの手に掴まれてしまった
「さてどうしてくれよう。このまま握りつぶすか」
「私を殺すと天空の兜が手に入らなくなるわよ」
「それは困る。よしおまえは人質だ。だが俺は知ってるぞ。この碧い珠は邪魔だ」

 そう言うとゴラムは力を込め、碧い珠を握りつぶした。
珠は砕け散り、セーラは意識を失った。
「セーラ! セーラ!!」
既に空が明るくなってきていた。
「チッ、もう朝か。いいかおまえたち、明日の夜までに天空の兜を用意するのだ。それまでこの女は預かる」
そう言うとゴラムの姿は朝もやの中にかき消えていった。

「セーラの……碧い珠が壊れた……」
「これじゃまるでレイのときと同じじゃない! セーラも死んじゃうの!?」
「マリア、落ち着け。時間は次の日没まである。それにセ−ラがどうなるかはわからないから、ここで考えても仕方がない。今俺たちがやるべきことは、一刻も早く碧い珠を元に戻す方法を見つけることだ」
「でも一体どうやって……」
「碧い珠の呪いを解いてくれたじいさんを探すんだ!」

 すぐさまミラに飛んだ三人は、以前セーラから聞いていたオルドの家の場所を探してた。
だがそこには林しかない。
マリアたちは林の中に入っていった。
しかしどの道を通ってもいつの間にか林の外に出てしまう。
ジリジリと時間だけが過ぎていく。

「一体どうなってるんだ、この林は」
「早くオルドさんに会わなきゃならないのに」
「わしをお探しかの」
突然後ろから声がしたので、三人は驚いた。
「あの、オルドさんですか?」
「いかにも。わしゃオルドじゃ」
「あの、実は……」
「まてまて、ここで立ち話もなんじゃろう。話はわしの家で聞こう」
そう言うと林の中を入って行く。
三人もあわててオルドについて行くと、不思議なことに今度は家が現れた。
0469名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/17(月) 00:02:45.33ID:Jpa9BYIU
 オルドの家で三人は碧い珠が砕かれたことを話し、拾い集めたかけらを見せた。
「うむ……碧い珠をここまで砕くとは恐るべき奴じゃ。これを元通りにするにはかなりの時間が必要じゃろう。今から始めても夕方に終わるかどうか」
「夕方……ぎりぎりだな」
「おそらくこのかけらだけでは足らんので、かけらの補充をせねばならん。また、この珠は聖なる力がその源じゃが、その力を全て失っておる。そこで再びその力を珠に込めることが必要なのじゃ」
「それで碧い珠を失ったセーラの体は大丈夫なんですか?」
「丸一日以上経つとどうなるか、わしにもわからぬ。できるだけ早く珠を身に着けさせないと危険じゃ」
「それじゃ一刻も早くお願いします!」
「うむ、それでは僧侶のお嬢さん、お主も手伝ってくれんか」
「はい!」

 オルドたちは祠にやってきた。
中は真っ暗である。
だが歩き出すと行き先を示すように炎が灯っていく。
やがて祭壇に着くと、オルドは碧い珠のかけらを祭壇に置き、周りに明かりを灯した。

「さてお嬢さん。これからお主にやってもらいたいことは、この空間を聖なる力で満たすことじゃ。なに、難しいことはない。要は儀式が終わるまで、碧い珠が元に戻るよう祈っていて欲しいのじゃ。
だが一つ気をつけることがある。邪念じゃ。人間余計なことを考えまいとするほど考えてしまう。無の境地になることが大事じゃ。もっと詳しく教えてやりたいが時間がない。頼んだぞよ」
そう言うとオルドは祭壇の方を向き、何かを唱え始めた。
すると祭壇の回りに円形の模様が現れる。
(あれは聖法陣? 初めて見た……)
そしてマリアも一心に祈り始めた。

 そのうちマリアはふと考えた。
これでもし間に合わなかったら一体どうなるのだろう。
マリアは頭を振った。
(いけない、いけない。集中しなきゃ)
だが心とはうらはらにいろいろなことが思い出されていく。
亡くなった両親と幼いころ遊んだ記憶が甦る。
「む?」
オルドが見ると祭壇の炎が大きく揺れている。

 だがマリアはとうとう一番思い出したくないこと、アルメリアでの祖父ジムラと憎むべき敵バルガとの戦いを思い出してしまった。
(おじいさま……!)
祭壇の炎が激しく揺れ始め、聖法陣に乱れが生じる。
(これはわし一人でやるしかないのう 。時間が間に合えば良いが……)
マリアの心はしばらくその場面にとらわれてしまっていた。

 しかしそのときマリアの心にセーラの姿が浮かんできた。
セーラのすねた顔、困ったような顔、そして笑顔。
マリアはやっと無心に祈ることを思い出した。
(かわいそうなセーラ)
(あたしが守ってあげる)
「ほう」
祭壇の炎が落ち着いたのを見て、オルドはうなずいた。

 そして夕方、碧い珠は復活した。
オルドに礼を言い、即刻三人は碧い珠と共にルナパークへ飛んだ。
0471名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/17(月) 07:15:12.93ID:0EOGBjQO
バルザックがいなければ第2のエスタークが生まれることもなかったのか
0472名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/17(月) 08:49:50.78ID:giAWTEUg
フィクションのキャラに本気になるエネルギーが、創作物を現実の代表象として成立させているんだよ
クリエイターの妄想力を蔑ろにすんなや
0477名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/17(月) 15:34:25.29ID:sDN2NuXR
DS版買って始めたけど、FC版より格段に難易度下がってるね
当たり前だけど「めいれいさせろ」があるとボス戦で思い通りにバフデバフ盛り盛りに出来るもんなぁ
4はスクルトが異常だし
0478名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/17(月) 19:27:07.66ID:YxFsA2M6
バルザックにはバルザックの言い分が
0483名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/18(火) 00:51:52.22ID:QUAtH2Gj
他のシリーズと比べて上昇率が異常って言いたいんだろ
まあ、リメイク版では終盤のボスで攻撃力が高い奴は守備力無視の痛恨を使うようになってるので、安泰とはいかんが
0484名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/18(火) 00:59:40.40ID:yLM3jC+4
第十一章「青碧の珠光るとき」

 陽が落ち夕闇が迫る中、マリアたちが待ち受けるルナパークに、再び魔物たちがやってきた。
なんとセーラは磔にされている。
「おまえたち、天空の兜は持ってきたか」
「残念だな。天空の兜はないぞ」
「なんだと? 俺の言うことを聞かなかったな。街を全滅させてやる!」
 魔物たちは街を壊し始めた。
「早くやめさせないと!」
「こういうときは親玉を倒すにかぎるぜ!」
しかし攻撃しようにも、ゴラムの近くにセーラがいるため手が出せない。
碧い珠をセーラの首にかけようとしても、容易に近づくことはできなかった。

「何か助けが必要ですか?」
いきなり声が聞こえたので、三人はあたりを見渡すが誰もいない。
「ここです。もう少し上ですよ」
なんと声の主は、以前一行が助けた妖精のリサであった。
「リサ! どうしてここへ!?」
「魔物の群れがこちらに向かっていたので様子を見に来たのです。それよりも勇者様は一体どうされたのですか?」
「説明は後。リサ、お願い。この碧い珠をセーラの首にかけてきて」
「なにか事情がありそうですね。わかりました。やってみます」

 マリアたちが囮となってゴラムの注意を引き付ける。
リサはその間に珠を持ってセーラの近くに飛んでいった。
だがゴラムに気づかれ叩き落とされそうになる。
リサはゴラムの顔の近くを飛びまわった。
「ええい、うるさいハエめ」
ゴラムはリサを叩き落そうとしたがかわされ、自分の顔を殴ってしまった。
ゴラムがひっくり返る。
この隙にリサはセーラの首に碧い珠をかけた。

「やった!」
しかしセーラは目を覚まさない。
よく見ると碧い珠は輝きを失っている。
「一体どうしたんだ……」
「多分エネルギーが足りないんだ」
「じゃあどうやってエネルギーをあの珠に入れるの!?」
しかしその答は誰にもわからなかった。

「あのー」
またいきなり声がしたので再び三人は驚いた。
振り返るとどこから出てきたのか、大勢の街の人々がいる。
「あなたたちは勇者様のお仲間ですか?」
「え、はい、そうですけど……」
「我々のために戦ってくれている皆さんのお手伝いをしたいのですが、何かできることはありませんか?」

 マリアはふと、魔物たちが夜が明ける前に帰っていったことを思い出した。
おそらく光が苦手なのであろう。
倒すまではいかなくても、力を弱めることはできるかもしれない。
「それでは松明などを使って、魔物たちをできるだけ明るく照らしてください」
「わかりました!」
街の人々はどこかに散って行った。
0485名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/18(火) 01:01:07.35ID:yLM3jC+4
 三人は時間を稼ぐのため、三方に分かれゴラムを攻撃する。
そして攻撃しては離れるという戦法でゴラムを翻弄した。
だがそんな中、ゴラムの苦し紛れの攻撃が運悪くアレフを直撃した。
マリアは必死にベホマを唱え、アレフを回復する。
その隙を突かれ、マリアはゴラムの手に捕まってしまった。

「マリア!」
「グハハ、こいつを殺ればもう回復はできまい 。このまま捻りつぶしてやる」
「2人とも、今のうちにセーラを!」
「しかしこのままじゃマリアが……!」
「あたしはいいの! 早くセーラを助けて!」
「そんなことはさせん。おまえらは皆殺しだ」

 リサがゴラムの弱点の目に向かっていったが、ゴラムの息で吹き飛ばされてしまった。
ゴラムはマリアを握った手にさらに力を入れる。
カイがブーメランを投げつけたが、ゴラムは頭の角で払いのけた。
「あきらめろ。おまえたちはここまでだ」
「くそ、こうなったらメラミであいつの目玉を!」
「よせ、へたに攻撃するとマリアがつぶされる」
「……ちきしょう!」

 ふと気がつくと周りが明るくなっていく。
「この光は?」
見ると大勢の街の人々がその手に松明を持ってやってくるところであった。
松明の明かりがゴラムを照らす。
ゴラムはその光に、思わずマリアを落としてしまった。
すかさずカイがマリアを助けだす。
だがマリアの体は既に満身創痍であった。

「セ、セーラは……助かったの……?」
「マリア、こんなときまで人の心配をするのか……」
「マリア! ベホマを使え!」
「もう……長い呪文は……だめ……みたい……」
「誰か! 誰かベホマを使える奴はいないのか!」
アレフが叫ぶが街の人々は黙っている。
「我々にできることはこれだけだ。鏡を持て!」

 街の人々は松明に加え、大小様々な鏡を持ってきて頭上に掲げる。
さらに強力な光が魔物たちに降り注ぐ。
「うぐ。そ、その光を止めろぉ」
魔物たちは苦しんでいる。
「カイ、アレフ……今のうちにゴラムを倒して……」
「マリア、すまん……俺にはできない!」
「セーラ、お願いだ! マリアを、マリアを助けてくれ! もうセーラしかいないんだ!!」
0486名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/18(火) 01:04:23.92ID:yLM3jC+4
 だが無情にも、カイの願いは届かなかった。
碧い珠の光は戻らない。
「おそらく、光だけじゃダメなんだ……」
アレフが呟く。
「勇者様の体が……なんだか薄くなってきたような気がします……」
リサの言葉通り、今まさにセーラの力が尽きようとしていた。

 そのとき……突然街中が青い光に包まれた。
数人の街の若者が青い光を放つ大きな鏡を運んできたのだ。
「おお、見つかったのか!」
「ええ! でも本当にあったんですね。この聖法鏡」
松明や鏡の光を受け、聖法鏡は魔物たちに青い光を浴びせ続ける。
「もう少しだ。もう少しで魔物たちを倒せるぞ!」
「こ、この俺を苦しめおって。これでも喰らえ!」
ゴラムは持っていた武器を聖法鏡に投げつけた。
鏡は割れ、街を包む青い光は消えてしまった。
あたりを再び闇が襲う。
もはや人々には絶望しか残されていなかった。

「手こずらせやがって。とうとう観念したか。俺は優しいからな。一瞬で殺してやるぞ」
「ゴラム様! どこからか光が!」
「なに!?」
反射的にゴラムがセーラの方を見ると、碧い珠が今までにない明るさで輝きだした。
再び青い光があたりを包み始める。
「バ……バカな」

 遂にセーラは目覚めた。
その全身が青く光っている。
魔物のほとんどは、その光で消え去った。
セーラは磔の縄を引きちぎり、すぐさまマリアのところに駆けつけベホマを唱える。
マリアの傷が一瞬で回復した。

「みんな、ありがとう。みんなの、街の人たちの祈りが聞こえたの。後はまかせて」
碧い珠の力の消耗が激しいため、アルメリアでのバルガ戦以来封印していた家宝の剣を、セーラは抜いた。
セーラの攻撃はすべて会心の一撃となる。
ゴラムも光の中必死に反撃した。
ルカナンを唱えその後強烈な一撃を加えてくる。

 マリアがスクルトで援護する。
さらにカイがメラミで攻撃し、アレフがゴラムの目を刺し貫いた。
そしてセーラの会心の一撃がとどめとなった。
ゴラムを倒した。
だが蘇生魔法がまだ使えない弱点が露呈してしまった。
0487名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/18(火) 01:04:56.38ID:yLM3jC+4
 セーラが街を見ると既に全滅している。
セーラは申し訳なくなって街の人々に謝った。
「あの、助けてもらったのに、街を守れなくてごめんなさい」
「いや、地下の街が残っていれば、地上はすぐ復興しますよ」
「地下の街?」
「ああ、ここは本来地下の大きな穴を利用して作られた街で、上は主に新しく来た人が住んでいたんですよ」
一行は驚いた。

「そうそう、お渡しするものがあります。ずっと地下に保管されていました」
それは天空の兜であった。
兜を持つと碧い珠と兜が光り出す。
セーラは天空の兜を手に入れた!

「さてみなさん、今日は宿屋でゆっくり休んでいってください」
「わーい! マリアー、お風呂入ろー」
「ええ、入りましょう」
マリアたちはあくびをしながら宿屋に入って行く。
なぜかリサも一緒であった。
0493名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/18(火) 11:20:17.60ID:pd0lE1TW
ちょっと前にノベルもどきを垂れ流した輩がいて、そいつの模倣をしてる荒らしが増殖中
本人だけは面白いつもりだろうが、ただただ迷惑で邪魔
0497名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/18(火) 15:02:29.29ID:yDE1KtaU
せっかくなのでちょっと読んだが、中ボスっぽいゴラムって敵キャラがどんなモンスターなのか描写されてないのが凄いな

初登場シーン
>一行はふと異様な雰囲気を感じ、あたりを見回した。
>すると北西の空から大勢の魔物がやってくるのが見えた。
>やがて魔物たちは街の近くに降り立ち、その中から巨大な魔物が近づいてきた。

>「俺はゴラムだ。おまえたち早く天空の兜をよこすのだ」
>四人が相談していると、ゴラムが気づいた。
>「おまえたちは勇者一行か。ちょうどいい。ギルドラス様からはおまえたちも殺すように命令されているからな」
> 「ギルドラス? ギルドラスとは誰だ!」
>「ばかなやつだ。そんなことも知らんのか。ギルドラス様は我々四天王や魔物たちの頂点に立つ魔王様だ」

ここでは取り合えず、容姿に関しては巨大な魔物である事しかわからない。
(ただし、ギルドラス様配下の四天王である事はさらっとわかる)
その後の容姿に関する描写は、

>マリアが叫んだが一瞬遅く、セーラの体はゴラムの手に掴まれてしまった

の部分で取り合ず「腕はあるらしい」事が判明し

>リサがゴラムの弱点の目に向かっていったが、ゴラムの息で吹き飛ばされてしまった。
>ゴラムはマリアを握った手にさらに力を入れる。
>カイがブーメランを投げつけたが、ゴラムは頭の角で払いのけた。

で、目がある(唐突に書いてあるが弱点らしい。視力に頼る生き物だったら大概は目が弱点だが)ことと、角が生えてる事もわかる。
あと多分、息で吹き飛んだので鼻か口もある。
ドラクエ世界なんだから、丁寧な描写とかしなくてもモンスター名プラスアルファの情報を書くだけでもどんなモンスターかが伝えられるのに
サイクロプスなのかサイ男なのか、特別巨大なおにこぞうなのか、オリジナルの謎モンスターなのか、全くわからないまま話が進んで倒されてる
0503名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/18(火) 22:18:56.61ID:7crI4rCQ
マスドラはキャラバンハートでは強かったけどな
攻撃激しいわベホマ(全快ではない)使うわで
0507名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/19(水) 02:17:13.02ID:8GcJFDIA
第十二章「魔物の罠」

「世界樹? ああ、あれがそうだ」
付近の住民らしき人はそう答えた。
セーラたちはゴラム戦の教訓から、次の目的地に行く前に世界樹の葉を探しに来たのである。

 教えてもらった世界樹は大きく立派な樹で葉が生い茂っている。
世界樹の葉は一度に一枚しか持つことができないが一人を確実に蘇生してくれる。
ザオラル・ザオリクを覚えるまではこれに頼るしかない。
世界樹の葉を手に入れた一行は、次の目的地ミルバに向かった。

 さて、ミルバの村に到着した一行は村人たちに話を聞いてみるが、返ってくるのはモンスターじいさんのことばかりであった。
どうやら変わり者で通っているらしい。
モンスターじいさんとは、マーベルの街にいたププル少年が飼っていたスライムのサスケを引き取った人物である。

 まずはモンスターじいさんの家に行ってみる。
中に入るといきなりセーラの顔めがけて何かが飛んできた。
セーラが顔から引き離すと、それはサスケであった。
「あっ、サスケ!」
サスケは喜んでセーラの手の上を飛び跳ねる。
「本当にかわいいのね」
「よく人間になつくものだ」
セーラはププルがよくやって見せていたのを思い出し、パンのかけらを空へ放り投げる。
サスケは空中へ飛び上がり、パンのかけらを食べた。
「すごい!」
「サスケ、ちゃんと覚えてたのね」

 そこに老人がやってきた。
「モンスターハウスへようこそ。わしがモンスターじいさんじゃ。ここでは魔物が人間と共存できるかどうかを研究しておる」
そう言うと建物の中を案内してくれた。
そして檻の前で止まる。
檻の中にはキラースコップや耳飛びねずみなど数種類の魔物がいた。
0508名前が無い@ただの名無しのようだ
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2018/12/19(水) 02:18:35.59ID:8GcJFDIA
「今はこれだけじゃが、そのうちもっと預かることができるようになるじゃろ。ゆくゆくは魔物たちを仲間として連れて歩けるようにしたいものじゃ」
「どうすれば魔物と仲良くなれるんですか?」
「まずは魔物の賢さじゃな。この値が低いとどうにもならん。あとは月並みじゃが人間と魔物の信頼関係じゃ。
こちらは人間の方にも素質が必要な場合がある。因みにここの魔物の中でもサスケの賢さは群を抜いているのでな。それでサスケだけは建物の中で放し飼いにしているのじゃ」
「へえー、君は賢いのね−」
「ピキー!」
サスケは得意そうに飛び跳ねた。
セーラたちはしばらくサスケと遊んでいた。

 一行はセーラのたっての願いでこの村に一泊することになった。
ところがその夜、モンスターハウスへ使い魔が忍びこんだ。
「キキー。魔物と人間が共存できるわけがなかろう。だが万が一研究が成功してしまってはギルドラス様の計画に狂いが生じる。だからおまえたちには魔物と人間が対立するため一役買ってもらうぞ」
そして使い魔は魔物の餌に何かを入れ姿を消した。

 次の日、セーラたちがモンスターハウスに来ると何か様子がおかしい。
見ると魔物たちが殺気だって檻の外に出ている。
一行はモンスターじいさんを探した。
すると床に倒れて気を失っていた。
名前を呼ぶと気がついたようで、いきさつを話し始めた。
「今日の朝魔物たちに餌をやって、しばらくすると様子がおかしくなったのじゃ。原因を調べようとしたところサスケに体当たりをくらっての。わしはのびてしまったんじゃ。その後サスケがわしから檻のカギを奪って魔物たちを外に出したんじゃろう」
0509名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/19(水) 02:19:39.44ID:8GcJFDIA
魔物たちは建物の中を破壊し始めた。
「いかん、このまま魔物たちが外に逃げ出したら村が大変なことになるぞい」
「それじゃどうすれば……」
「……戦うしかなかろうて」
マリアは魔物たちの動きを止めるためラリホーを唱えたが効かなかった。
「もう戦うしかないの……?」
そうしている間にも、魔物たちは建物を壊し続けている。

 セーラは戦うことを決意し、サスケと対峙した。
サスケは動かずにじっとセーラを見つめている。
セーラは剣を振り上げる。
だがサスケを斬ることができない。
セーラは剣を落としてしまった。
「私には……できない……」
そんなセーラを見てアレフが叫ぶ。
「どけセーラ! 俺が斬る!」
だがセーラは泣いて首を振る。

 そのときカイが思い出して叫ぶ。
「セーラ! マーベル王にもらった理性の種だ! あれをサスケに食べさせるんだ!」
セーラは慌てて持ち物を確かめる。
理性の種があった。
だがどうやってサスケに食べさせればよいのか。

 セーラはその方法を一つだけ思いついた。
サスケが食べてくれることを祈りながら理性の種を空中に放り投げる。
サスケはそれを見て反射的に飛び上がり、理性の種を食べた。
一同は手を取り喜ぶ。
だがサスケは動かなくなってしまった。
セーラは泣きながらサスケを抱きしめる。
すると碧い珠から聖なる力である淡い光が漏れだし、サスケを包む。
やがてサスケは動き出し、セーラの肩に乗り飛び跳ねた。

 カイたちは他の魔物たちもなんとか押さえつけ、理性の種を食べさせた。
やっと騒動は収まった。
問題は誰の仕業かである。
「多分、人間と魔物が仲良くすると困る誰かの仕業よね」
「人か魔物か」
「手口からして魔物でしょうね。だとするといつまた忍びこまれるかわからないわ。だからここに結界を張りましょう。セーラ手伝って」

 マリアは用意した五つの宝玉に、セーラの碧い珠の力を分け与え、その宝玉を柱に埋め込んだ。
宝玉の間に光の壁のようなものが現れ、結界は完成した。

「おじいさん、これで魔物たちに邪魔されず研究ができると思います。いつの日か魔物と人間が仲良く暮らせる日が来ると信じます」
「ありがとう。わしもその日が一日でも早く来るよう頑張るつもりじゃ」

 一行はモンスターじいさんとサスケに別れを告げ、ミルバの村を去って行った。
マリアは、目的のためには仲間をも利用する魔物のやり方が許せず、ずっと不機嫌であった。
0511名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/19(水) 08:07:56.99ID:aoirutnH
ドラゴンは強いからね
0512名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/19(水) 08:30:37.37ID:ymLQn8M3
>>501
風邪薬を封印?
0514名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/19(水) 08:50:35.23ID:SBW1VtvM
>>511
それも特別なドラゴンだから少なくとも5のグレイトトドラゴンよりは強いだろう
攻撃、守備、特技、耐性、全てにおいてマスタートドラゴンのほうが優秀なはずだ
そう考えるとタイマンでラスボスに勝ってもおかしくない
グレイトドラゴンでも相当強いからな
0515名前が無い@ただの名無しのようだ
垢版 |
2018/12/19(水) 09:15:23.24ID:ymLQn8M3
まがりなりにも神を名乗る存在だから、右の頬を打たれたら左の頬を出す的な博愛主義で戦闘行為不可なんじゃね
流血したりさせたり野蛮な亊は俗な人間と魔族でやってろやみたいな
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