タルタリヤは目を覚ますと見知らぬ個室にいた。
何事かとあたりを見回そうとしたが動けず、真正面しか見えない。
仕方がないので、見える範囲から得られる情報で今の状況を分析する。
まず、ここは狭い個室。人ひとりがなんとか入れる程度の広さで、手を伸ばせば届く位置にドアノブがある。が、体が動かず手は伸ばせない。
そして、臭い。首すら動かないので下が見えないが、下の方から激臭が漂ってくる。

「なんだこの臭いは……!? ウンコ系の臭いだ……!!」

 下から突き上げてくる激臭を浴びながら、一つの結論に達する。ここは、トイレの個室だ。
トイレの個室で、何故か金縛りのように動けなくなっている。

「まっはぁじで?」

と声を上げたが、個室の中に声は響かない。そもそも、声が出ていないようだった。
全く状況が飲み込めず混乱する酒井であったが、助け舟が訪れる。個室の扉が開き、鐘離が現れたのだ。

「せ、先生!助けてくれ!」
 精一杯の声を上げるが、鐘離には届いていないようだった。そして何故か鐘離はズボンを降ろし、極太凶悪マラクスを眼前に晒す。
「今はそんな事してる場合じゃないだろ!」と言ったが届かず……鐘離は後ろを向き、タルタリヤに向かって肛門を向けた。

「お、おいおい……一体何やってんだ!?」

タルタリヤの助けを求める声も届かず、鐘離の尻肉と肛門で眼前を覆われる。そして、ボス!ブポン!と顔の数センチ前で屁をかます。

「んーーー!!! やめろ、鐘離先生!!何をする気だ!?」

逃げられない状況で屁を喰らい、顔を歪ませるタルタリヤ。と言っても、顔も硬直しており動かせない。続けて、鐘離の肛門がひくひくと動き始めた。

「お、おい……?……まさか……?」
「あああああああぁ!!」
「ん"っ"!!!!」

肛門を引くつかせたかと思ったら、同時に、肛門から大量の糞が撒き散らされた。眼前は茶色く染まり、消化不良のコーンやにんじんまでが降ってくる。
せめて目をつぶりたがったがそれもかなわず、タルタリヤは鐘離の全力の脱糞を顔面で受け止めた。

「ふー……」

満足げな声を上げた鐘離は尻を拭き、その紙を顔面に向かって投げてくる。もう反論する気力もなく、ただ呆然とその紙を受け止める。
グゴッと、何か音が聞こえる。どうやら鐘離が何かのレバーを引いたようだ。
その瞬間、鐘離の糞便がタルタリヤの口に吸い込まれ始める。

「あがががががん"っ"ーーー!!!」

決死の悲鳴も鐘離には届かない。
全ての糞便を飲み込み一人になった個室で、タルタリヤは、自分が本当の便器になってしまったのだと気づいた。